●Caplio GX100用間欠撮影タイマー回路 |
2010-04-27
2007年に買ったリコーのCaplio GX100、一緒に注文したのが専用のリモコンCA-1。 カメラのUSBコネクタにつないで使う有線リモコンです。 シャッターを切るだけという単機能。 GX100自身にもインターバル撮影機能が搭載されていますが、集合写真を撮るのに使うには不便なのです。 「5秒間隔で3枚撮影」などという設定ができるセルフタイマー回路を作ってみました。 まず、以下の記事をご覧ください。 (ブログ:居酒屋ガレージ日記) リモコンCA-1と製作した回路の概要を記しています。 ・Caplio GX100用リモコンCA-1 ・Caplio GX100用リモコンCA-1続き ・Caplio GX100用リモコンCA-1波形の続き ・GX100用リモコンCA-1のLED位置変更 ・GX100用間欠撮影用タイマー回路 ・GX100用間欠撮影用タイマー回路完成 ・GX100用間欠撮影用タイマー回路 …マイコンの動作クロックについて そして、CA-1の動作については、以下のHPをご覧ください。 ・SDMの改造(A570IS) 「ステレオ写真」で利用されているのです。 ●機能・特徴 ・リコーのリモコン「CA-1」と同等の撮影指令信号を出力。 ※参:CA-1対応製品一覧 ・二つのデジタルスイッチで撮影枚数と撮影間隔を設定。 ・連続撮影もできる。 ・電池2本で動作。 ・撮影タイミングをブザーとLEDで報知。 ・ブザー音量を可変。 ・AVRマイコンATtiny2313で制御。 |
(クリックで拡大↓)
●回路の概要 ・マイコン内蔵クロック(4MHz)で動作。 ・カメラとはミニB USBコネクタで接続。 ・2台のカメラを同時制御できるよう2系統の信号を出力。 ・USBコネクタの電源線を使ってカメラを制御。 2本のデータ線は使っていない。 ・カメラに接続しても、出力信号にはほとんど電流は流れない。 ただし電圧として「5V」が必要。 ・このためにマイコン内蔵のアナログコンパレータ回路と基準電圧源を 用いて、PWM昇圧回路を構成。 ・ブザーは圧電タイプではなくマグネチック・サウンダ。 報知音が大きい。 うるさい場合に備え、音量可変機能がある。 ・LEDは昇圧した5Vを使って点灯。 (高輝度LEDが使えるように) ・動作終了後は低消費電流モードでスタンバイ。 次回のスイッチ操作を待つ。 ・マイコン内蔵クロックの偏差(10%くらい)を修正するための モードを装備。 水晶発振子まではいかないが正確な時間に合わせ込める。 ・二つのデジタルスイッチは「0で全オフ」。「9で1、8信号がオン」になる。 ・トランジスタの働き Q1:5V昇圧用PWM制御。 Q2:スタンバイ時に電圧検出用抵抗を切断。 Q3:マイコンポートと5V系出力のつなぎ。 Q4:LED点灯制御。 Q5:マグネッチック・サウンダ駆動。 |
(クリックで拡大↓)
●オシロ波形の解説 ch1:カメラ制御出力波形 ch2:LED表示(HでLED点灯、Lで消灯) ch3:ブザー報知パルス(ほぼLEDの点滅に合わせて制御) ・カメラの制御 30mS単発波でフォーカスロック開始。 150mS幅パルスでレリーズ(撮影)。 2発連続した30mS波で撮影終了。 ・撮影間隔の設定により報知方法を変えている。 短いと「Pi Pi」音だけ 間隔が長くなると「Pi Pi Pi PiPiPiPi Pi〜」 ・撮影間隔の設定により、でフォーカスロックからレリーズまでの 時間を変えている。 間隔が長いとフォーカスロックしている時間が長い。 |
(クリックで拡大↓)
●波形の解説 ・オシロのch ch1:LED制御トランジスタのベース PB4 ch2:PWM制御トランジスタのベース PD5 ch3:PWM制御トランジスタのコレクタ L1による昇圧パルス ・上から (1)LED点滅時の制御。 電流が流れるとPWMスイッチングサイクルが増える。 (2)LED点当時のPWM制御周期 (3)その拡大 Q1オフ時のリンギングが見える オシロ波形ch3のH部分が5Vとなるように制御される。 |
●使用方法
●撮影枚数デジタルスイッチの設定 ・1〜8: 撮影枚数設定 1〜8枚 ・0: 停止 ・9: 連続撮影 撮影に入ったあと「0」に戻すと強制終了する。 「9」で連続撮影しているときに「0」に戻すと終了。 ●撮影間隔デジタルスイッチの設定 ・0: 10秒間隔で撮影 ・1〜9: 1〜10秒間隔 ●プッシュスイッチ ◆ちょい押しで撮影開始。 連続撮影以外の時(撮影回数=1〜8)は10秒待ってから最初の撮影。 連続撮影(撮影回数=9)のときは待たずに撮影開始。 撮影中に押すと撮影中止。 ◆長押しでブザー音量設定モードに 2.5秒押し続けるとブザー音量設定モードになる。 あわせてマイコンのクロック周波数微調整も行う。 撮影回数デジタルスイッチでブザー音量を設定する。 9:音量大〜1:音量小、0:報知音無し デジタルスイッチを操作しなければ、現在の設定音量で 報知を続ける。 スイッチ操作(値を変更する)で音量を変化。 プッシュスイッチ操作でEEPROMに音量を記憶する。 撮影間隔デジタルスイッチでマイコンクロック周波数の微調を行う。 0、5: 変更しない 1〜4: クロック周波数上昇 +1〜+4 9〜6: クロック周波数下降 -1〜-4 スイッチの値を変えたときに微調を実施。 「0、1 0、1」を繰り返すと周波数が徐々に高くなる。 周波数を上げるとタイマーが短くなる。 下げるとタイマーが長くなる。 マイコンクロックが10%程度の誤差を持っているので、それを補正 するための機能である。 スイッチ操作をしなければ、変更しない。 プッシュスイッチ操作でEEPROMに周波数微調整値を記憶する。 |
GXR1_2.LZH | ATtiny2313マイコンで制御しています。 ソースファイルとROM書き込み用HEXファイルを圧縮しています。 |
●補足
●電源 手持ちパーツの関係で、単3電池2本で動かしています。 定格電圧3Vという仕様です。 報知でLEDを点灯しているときに、一番消費電流が多くなり約36mA。 LEDが消えていると2.4mAです。 マイコンそのものは電源電圧が2Vまで低下しても動作しています。 電源電圧が2Vまで下がってもLED点灯時の消費電流はあまりかわりません。 撮影が終わり、スタンバイ状態になるとテスターの電流計では測定できません。 1μA以下です。 |