ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
★ZAQのBlogari停止のため、あれこれ「データ吸い出し」対策しています。 新規記事はとりあえず停止。 コメント書き込みはまだ有効です。 (JH3DBO 下間憲行)
2008年03月18日(火)
蛍光灯の点滅
インバータ方式でない普通の蛍光灯(安定器を使った)は電源周波数の倍で点滅しています。
蛍光灯照明下でシャッター速度を上げて撮ると、この点滅サイクルのせいで写り具合がおかしくなる現象にでくわします。
ちょっと気になっていたので、どんなものか調べてみました。

オシロスコープ、上側ch1がフォトトランジスタを使って拾った照度変化波形。
波形の山部分が明るくて、谷で暗くなります。
「0V」位置はY軸下から2本目のところ、「>」マークの紙を貼ったところです。

下側ch2は電源電流で、カレントトランスを使って拾っています。
交流100Vですので+/-に変化します。

まず、安定器を使った普通の蛍光灯。
20W直管。



蛍光灯管の中央付近でとらえた照度変化がこれ↓



電源周波数(大阪なので60Hz)の倍の周波数で点滅を繰り返しているのが見えます。
山と谷で50%くらい明るさが変化しているでしょう。
AC100Vのゼロクロス点で消灯しているわけではありません。
暗くなっているだけです。
1/1000とかの高速シャッターだと、この明るさの変化に追従してしまいます。
それで、露出や色合いがおかしくなるわけです。

同じ蛍光灯でも、蛍光灯の端では様子が違います。
ガラス管の端から3cmほど内側で見るとこんな具合。



管の反対側だと



光っている位相が反対になっています。
そして、暗い部分で何やら高周波波形が見えていますね。
放電現象のなんかなんでしょうけれど、詳しくは知識の範囲外です。


次は電球タイプのインバータ蛍光灯。



まず、どのくらいの周波数でスイッチしているのか見てみます。



ざっと120kHz。 120000サイクル毎秒。
ずいぶん高い周波数です。

しかし、オシロの時間軸を遅くして電源周波数を見れるようにすると、ほら。



インバータタイプ蛍光灯でも、電源周波数に同期した照度変化が見えるのです。
20%くらいの変化でしょうか。
電球サイズの中にインバータ回路を組み込んであるのですから、電源に余裕がありません。
制御回路の電源に乗るリップルはしかたないでしょうね。
それが明るさの変化となって見えているのです。


さて、同じインバータタイプでも器具に回路を仕込んである蛍光灯だとどうなるか調べてみました。



まず高周波波形。



うにゃうにゃしていますが約70kHz。

これを電源周波数で見ると、


  (上の写真と時間軸が異なります)

電源回路に余裕があるのでしょう、電源周波数に同期する明るさの変化が小さくなっています。

ということで、3種類だけですが蛍光灯の照度変化を調べてみました。


※電球形蛍光灯の寿命、電源周波数に同期した照度変化の増加で予測することができないかしら?
中のコンデンサがへたってきたらリップルが多くなって、照度の変化が大きくなるそう。
まぁ、でも「切れたら寿命」「切れるまで使う」というのが普通ですからねぇ。


※2008-04-02
コメントにありますようにpzdさんが蛍光灯の点滅を高速撮影。
  そのとき、その瞬間を:蛍光灯の点滅
蛍光灯フリッカの動画です。お楽しみください。


※2010-09-26
★まとめ:蛍光灯やLED電球の点滅


2008年3月18日 17時24分 | 記事へ | コメント(14) | トラックバック(1) |
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蛍光灯の点滅 2008年04月01日(火) 23:58 by そのとき、その瞬間を
インバーターではない旧式の蛍光灯の点滅を1200fpsで撮った。 60Hz蛍光灯 1200fps ここ関西では交流は60Hz。点灯に±の極性は関係ないので、倍の120Hzで点滅する。上の1200fpsでも早すぎるので、さらに再生速度を遅くして6000fps相当にしたのが下の動画。これでも早い...
 とても面白い測定データですね。ランプの端の方で放電の伝播が位相変化に見えるというのは、目の付け所がさすがです。
 高速のフォトカプラがHPにしかなかった時代の記憶から、フォトトランジスタって、もっと応答の遅い素子だと思いこんでいましたが、案外立派なものであることもわかりました。
2008年03月19日(水) 08:30 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
フォト・トランジスタはSHARPのPT501A。
電源は単3電池3本で負荷抵抗は510Ω、という条件でした。
25年くらい前、仕事で使ったものの残りです。
捨てられませんわ。
負荷抵抗が大きいと高速応答は無理ですね。
感度(飽和電圧)を犠牲にしてパルス応答優先で抵抗を小さくしたのです。
私もフォトトランジスタの応答特性の良さにビックリしました。
また、蛍光灯の端や中央で照度変化の波形が異なるのも初めて知りました。面白いです。
 負荷抵抗を下げて帯域を稼いだんですね。昔は、can caseに入ったttransistorの頭を開けて、光に反応すると喜んだものです。
CANの開頭・・・学生時代にたくさん作りました。
学園祭の光線銃ゲームのセンサとして無線部の先輩にやらされたんです。
エポキシ接着剤を充填して、逆さにつるしてレンズを作って・・・
秋月とかで売っている某国製の激安電球型蛍光灯はどないでしょ? 60Hzの変動が大きかったりとか・・
2008年03月20日(木) 05:34 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
PZDさん、今度、秋月で何かモノを買うことがあったときいっしょに注文してみます。
秋月の蛍光灯、自宅で使っています。測ってみたいですが、まずは観測系を作らないといけませんね。仕事柄、開頭したTrではなく、photodiodeにampをつなぐことになりそうです。
あの〜う,今の送信機では実験が難しそうですが,
807 の送信機 そう 7メガサイクル のタンクコイルに
近づけたときの,蛍光ランプでは,どうなんでしょう。
2008年03月24日(月) 21:59 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
ATJさん、ご提示された実験内容、わたしとこの設備では検証できませんわ。
「807」は別として、高電圧・高出力の送信機がありません。
そういや免許の第何装置だったか「終段Tr:2SC32」で免許をおろしていますわ。
オモチャを入手したので蛍光灯点滅を別人格ブログのネタにさせてもらいました。マイナス極になった側が光るのでしょうね。
2008年04月02日(水) 05:43 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
pzdさん! 別人格って!?

動画見ましたよ! 高レートだとああ見えるんだ。
LEDのちらつき、こんな記事がでました。

http://ednjapan.com/edn/articles/1206/01/news013.html
2012年06月03日(日) 10:32 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
なるほど。
どこにでもあるLEDを光センサーにしてという試み。
おもしろいです。
でも、オシロスコープはどこにでもあるってもんじゃありませんって(笑)
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