蛍光灯の点滅
インバータ方式でない普通の蛍光灯(安定器を使った)は電源周波数の倍で点滅しています。
蛍光灯照明下でシャッター速度を上げて撮ると、この点滅サイクルのせいで写り具合がおかしくなる現象にでくわします。
ちょっと気になっていたので、どんなものか調べてみました。
オシロスコープ、上側ch1がフォトトランジスタを使って拾った照度変化波形。
波形の山部分が明るくて、谷で暗くなります。
「0V」位置はY軸下から2本目のところ、「>」マークの紙を貼ったところです。
下側ch2は電源電流で、カレントトランスを使って拾っています。
交流100Vですので+/-に変化します。
まず、安定器を使った普通の蛍光灯。
20W直管。
蛍光灯管の中央付近でとらえた照度変化がこれ↓
電源周波数(大阪なので60Hz)の倍の周波数で点滅を繰り返しているのが見えます。
山と谷で50%くらい明るさが変化しているでしょう。
AC100Vのゼロクロス点で消灯しているわけではありません。
暗くなっているだけです。
1/1000とかの高速シャッターだと、この明るさの変化に追従してしまいます。
それで、露出や色合いがおかしくなるわけです。
同じ蛍光灯でも、蛍光灯の端では様子が違います。
ガラス管の端から3cmほど内側で見るとこんな具合。
管の反対側だと
光っている位相が反対になっています。
そして、暗い部分で何やら高周波波形が見えていますね。
放電現象のなんかなんでしょうけれど、詳しくは知識の範囲外です。
次は電球タイプのインバータ蛍光灯。
まず、どのくらいの周波数でスイッチしているのか見てみます。
ざっと120kHz。 120000サイクル毎秒。
ずいぶん高い周波数です。
しかし、オシロの時間軸を遅くして電源周波数を見れるようにすると、ほら。
インバータタイプ蛍光灯でも、電源周波数に同期した照度変化が見えるのです。
20%くらいの変化でしょうか。
電球サイズの中にインバータ回路を組み込んであるのですから、電源に余裕がありません。
制御回路の電源に乗るリップルはしかたないでしょうね。
それが明るさの変化となって見えているのです。
さて、同じインバータタイプでも器具に回路を仕込んである蛍光灯だとどうなるか調べてみました。
まず高周波波形。
うにゃうにゃしていますが約70kHz。
これを電源周波数で見ると、
(上の写真と時間軸が異なります)
電源回路に余裕があるのでしょう、電源周波数に同期する明るさの変化が小さくなっています。
ということで、3種類だけですが蛍光灯の照度変化を調べてみました。
※電球形蛍光灯の寿命、電源周波数に同期した照度変化の増加で予測することができないかしら?
中のコンデンサがへたってきたらリップルが多くなって、照度の変化が大きくなるそう。
まぁ、でも「切れたら寿命」「切れるまで使う」というのが普通ですからねぇ。
※2008-04-02
コメントにありますようにpzdさんが蛍光灯の点滅を高速撮影。
◆そのとき、その瞬間を:蛍光灯の点滅
蛍光灯フリッカの動画です。お楽しみください。
※2010-09-26
★まとめ:蛍光灯やLED電球の点滅
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2008年3月18日 17時24分
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高速のフォトカプラがHPにしかなかった時代の記憶から、フォトトランジスタって、もっと応答の遅い素子だと思いこんでいましたが、案外立派なものであることもわかりました。
電源は単3電池3本で負荷抵抗は510Ω、という条件でした。
25年くらい前、仕事で使ったものの残りです。
捨てられませんわ。
負荷抵抗が大きいと高速応答は無理ですね。
感度(飽和電圧)を犠牲にしてパルス応答優先で抵抗を小さくしたのです。
また、蛍光灯の端や中央で照度変化の波形が異なるのも初めて知りました。面白いです。
学園祭の光線銃ゲームのセンサとして無線部の先輩にやらされたんです。
エポキシ接着剤を充填して、逆さにつるしてレンズを作って・・・
807 の送信機 そう 7メガサイクル のタンクコイルに
近づけたときの,蛍光ランプでは,どうなんでしょう。
「807」は別として、高電圧・高出力の送信機がありません。
そういや免許の第何装置だったか「終段Tr:2SC32」で免許をおろしていますわ。
動画見ましたよ! 高レートだとああ見えるんだ。
http://ednjapan.com/edn/articles/1206/01/news013.html
どこにでもあるLEDを光センサーにしてという試み。
おもしろいです。
でも、オシロスコープはどこにでもあるってもんじゃありませんって(笑)