鉄の歴史村・菅谷たたら
奥出雲たたら製鉄をめぐる小旅行、次は「菅谷(すがや)たたら」。
今回、ここを訪れるのを楽しみにしていたのです。
※≪Google Map≫
「たたら製鉄」を行っていた建物、それを「高殿(たかどの)」と呼びます。
そして、たたらを行っていた集落、それを「山内(さんない)」。
それが保存されているのです。
日本広しともここだけ。(ということは世界で宇宙でここだけ!)
奥出雲地方にいくつもあった「永代たたら(高殿を備えたたたら)」、それが時代に
淘汰され、もうここにしか本物が残っていないというわけなのです。
「蒸気機関車」のようです。
山内からちょっと離れた場所に「山内生活伝承館」があります。
車をここの駐車場に止めて歩きます。
ここからの眺めがすばらしいのです。(あとで)
「山内生活伝承館」↓ ここも貸し切り。
勝手に電気を点けて、退出時に消灯。
こんな藁細工の「龍」が迎えてくれます。
感動的だったのが「炭」の紹介。
パネル展示とともに、炭のサンプルがズラリ。
さまざまな「木」とその「炭」が手にとって確かめられるように展示されているのです。
知っている木も知らない木も、焼く前の姿と炭になった姿が並んでいます。
いろんな重さ、固さがわかります。
きっと、木っ端や炭を見ただけでその名前がわかる人っているのでしょうね。
「ガラスケース」に入れた展示って味気ないですが、こうやってもらえるとうれしいものです。
山内生活伝承館を出て、横の道を降りていきますと
「菅谷たたら・高殿」に出てきます。
高殿の向かいに「元小屋」と呼ばれる事務所兼工房があります。
たたら製鉄の技術責任者、(村下:むらげと呼ばれる)の住居でも
あるのです。
そこに入って来訪を伝えますと、高殿周辺を案内してくださいます。
緑のシャツが私、白のシャツが案内担当の方。
高殿の前で手を広げて何やら説明してもらっています。
撮影は女房のGX100。
さて、高殿の中に入ります。
建てられてから「100年」を単位として数えるくらいの厳かな空間。
製鉄の神様「金屋子さん」もまつられています。
高殿の中の様子、ブレていますが女房が撮ったこの写真を選んでおきます。
中央が「たたら」本体。
たたらの真上、現在は屋根がありますが、操業しているとき屋根が
外され通気できるようにしていたとのこと。
その操業している高殿の様子が模型として科学館にあったのですが、撮影不可。
火事に備えて、水を入れた樽を屋根に置いていたそうです。
高殿の隣に「大どう場」と呼ばれる建屋があります。
あったらでできあがった鉄隗、「ヒ(けら)」を割るための施設です。
それがこれ。
水車のチカラで大分銅を持ち上げヒめがけて落下。
ヒを小分けにするのです。
女房がGX100で撮った高殿の写真で「いいなぁ〜」というのがこれ↓
高殿内部から元小屋を見ています。
たたらで作られたヒを高殿から外に搬出する扉を通して外を見ているのです。
現在は舗装された道路になっていますが、昔はこのすぐ前に小さな池があったと。
できたてほやほや熱々のヒを水に入れ急冷、ヒを割りやすくするためだとか。
さて、高殿の説明もおわり、車を置いた駐車場まで引き返す途中、
「一番の撮影ポイントがあるのですよ」と、連れて行ってくださいました。
そこで撮った高殿の写真↓
高殿の横、中央にりっぱな「桂の木」。
「桂」は製鉄の神様「金屋子さん」の神木。
この桂、初春になると「真っ赤に芽吹く」のだそうです。
それが「たたらの炎」に見えるとか。
「鉄の歴史村・四季おりおり」を拝見しますと、その様子が↓
・2006年4月7日 桂の木が芽吹きました!!
・2005年4月11日 桂の木が芽吹きました!
もう一つ、駐車場そばからの景観。
山内を見渡せる場所がここ。
右奥に高殿と桂の木が見えています。
このガードレールからの眺めがポイント。
あの「岡本太郎」氏、島根を訪れられたときこの風景をこの場所から見て
元気を出されたとか。
昔の逸話を紹介してくださいました。
菅谷を訪問されたあと、「たたらの炎」をモチーフにした作品を作られたとのことです。
永代たたらでの製鉄、年間50〜60回行われたとのことです。
毎回2〜3トンの鉄ができます。 年間150トンくらい。
170年間操業したと説明にありますので、およそ25000トンの鉄を
この場所で生み出したのです。
原料である砂鉄それに木炭。その製造とその搬入。
そして製品の出荷。
一つのたたらを操業するため、何千人もの人が関係し、働いていたのも
納得できます。
※検索
・菅谷たたら 桂の木の芽吹き|しまねで感動・癒し・エンジョイエイジング!
・ひとり旅 [138] 鉄の道文化圏「菅谷たたら山内」島根県雲南市:Godzilla.T&Nさんの旅行ブログ by 旅行のクチコミサイト フォートラベル
・ペーパークラフト/雲南の伝承シリーズ
・旅の記憶 - travelogue - : 菅谷たたら山内 その1
・たたらの話:鉄滓 日立金属
・里山・里川、養生ツアー報告@:深呼吸クラブ(代表:清水正弘)通信:So-net blog
・unputenpu 手と眼と
・菅谷たたら山内 ベレー帽通信 WEST/ウェブリブログ
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2008年7月19日 06時30分
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