充電器BQ-390の中身#2
BQ-390のお話、「電気的に気になる部分があるのです」と記しましたが
何かというと、充電制御出力ポートの出力電圧なのです。
この制御信号を抵抗内蔵トランジスタで受けてインターフェースするよ
うに表示回路を作りました。
デジタル回路をやっている技術屋なら…
デジトラの「R1とR2の値、たいていどんなもんでも動くやろ」
っと思いませんか?
ところが落とし穴。
BQ-390の充電制御回路は5Vで動いています。
PICやAVRマイコンを使っていると、出力ポートのドライブ能力が高い
のでついつい特性を考えなくなります。
しかしBQ-390のマイコン、Hレベル出力の駆動能力が低いのです。
それで6.8Kでプルアップしてあるのでしょう。
ここから横取りした信号をオシロで見てみるとHレベルが1.4Vほどしか
ありません。
いつもよく使うデジトラ、R1/R2が10K/10Kのものだとトランジスタが
十分オンしないのです。
ちょっと考えてみましょう。
トランジスタをオンするには「BE」間電圧におよそ0.6V必要です。
デジトラの場合、ベース入力の抵抗R1と、BE間の抵抗R2で分圧さ
れますので、ざっとこの比率でオンする入力電圧が求められます。
1:1ですのでベース電流を無視すれば単純に「1.2V」。
これにベース電流が必要ですので、実際にはもう少し高い電圧で
ないとオンしません。
ほら、1.4Vの出力につなぐとなると微妙になってきたでしょう。
10K/10Kのデジトラを使って試作した直後はうまく動いていたのですよ。
しかし…翌朝、室温が低い時に動かしてみると何かおかしい???
オシロで確認してみると、デジトラが十分にスイッチしていないのが
見えました。
デジトラの頭を指で触って暖めてやると…きちんとスイッチして正常に動作
しはじめます。
温度が上がりデジトラの特性が変わったのでしょう。
(HFEが上がる、VBEが下がる)
ということで、10K/10Kのデジトラは使えません。
10K/47Kの分圧比になったデジトラは常備品じゃないので、日本橋まで自転車で
走っていってロームのDTC114YSATPを買ってきました。
(マルツに置いてあった)
これに付け替えれば1.4Vでも問題なくスイッチしてくれます。
「気の迷い」さんとこの記事では、LEDを点灯するのに10K/10Kのデジトラを使われ
ていて問題なさそうです。
それで、BQ-390の内部写真を見ると、私のと違っていた…そこが気になる
というわけなのです。
※参考:東芝のデータシート
・RN1201〜06
・RN1207〜09
RN1202が10K/10K。 RN1207が10K/47K。
VI(ON)を見ると、違いがわかります。
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2009年3月9日 07時00分
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