修理依頼:歯科用ミキサー
この呼称、ミキサーでいいんでしょうね。
高速回転する「ろくろ」のようなものです。
![](../img/img_box/img20090921070343106.jpg)
上に乗っている湯飲みのようなもの、樹脂でできていて柔らかいのです。
これが回転(maxではけっこう高速)するのです。
右側に見えている黒いのがフットスイッチ。
『たまに回らなくなる』というのが修理依頼の症状です。
歯医者さんで歯の型取りに使う「アルジネート印象材」、この粉を
水と混ぜ合わせるときに使います。
(実際に使っているところは見たことありませんけど)
ピンク色の粉があちこちに付着。
これで歯形をとってから石膏などを流し込んだら元の形が現れる、
てな具合です。
(歯医者以外でもおもしろそうなことに使えそうですが)
装置は30年選手。
「直らなかったら新しいの買おうかと…」ということなのですが、
歯科用機材ってきっと高価なもんなんでしょう。
![](../img/img_box/img20090921070416267.jpg)
フロントパネルのツマミは正逆方向と速度調整。
青いカップは簡単に外れます。
ケースを開けるのにはこのアルミ製の回転円盤を外さなくてはなりません。
この方法が「???」で難関だったのです。
![](../img/img_box/img20090921072135823.jpg)
中心のネジが見えてますので円盤を回せばゆるむかなと思ったのですが、
完全固着。
あれこれ見ていて「!」したのが、フロントパネル中央上部に見える「穴」。
ライトを当てて見ますと軸の固定ネジが見えました。
この穴からプラスドライバーをつっこんで軸を固定しているネジをゆるめる、
こんな仕掛け(?!)だったのです。
![](../img/img_box/img20090921070358652.jpg)
はい、成功!
これでケースがばらせます。
![](../img/img_box/img20090921070403801.jpg)
右がモータ。
単相整流子電動機ですな。
交流電気ドリルで使われているようなモータ。
120W。
左上がギアボックス。
ウォーム・ギアで減速。
ギアボックスとモータ軸、カップリングでつないであります。
ギアボックス、アルミの削りだし。
軸受けにはベアリングが仕込んであり、
「ええ仕事してる」
「昔のはしっかり作ってある」と、
ガレージ常連HMDさんの評価。
左下側はトライアックを使った調速回路。
別角度から。
![](../img/img_box/img20090921070410675.jpg)
さて、バラした状態で試運転。
しかし、現象がおきません。
ちゃんと回るのです。
「電線の断線しかけ」を疑っていたのですが、そうじゃありません。
まぁ、先に機械系のメンテをということで、ギアボックスのグリスを
交換。
古い固化したようなグリスを取り去って新品のグリスに。
そして、モータ軸などの可動部分に注油。
メカ専門の常連HMDさんが横から見ておりまして、
「モータの火花がひどいな」っと意見。
モータのブラシ、二つあるわけですが回転させるとけっこうな火花が見
えるのです。
で、突然、あれこれしていましたら、モータが回らなくなりました。
「おっ。おきたな」。
修理するには異常現象が再現してくれないと困ります。
モータが止まった時、モータ軸を回してやると回転しだしました。
「ブラシやで」。
電気屋と機械屋の意見が一致。
モータの二つあるブラシ、樹脂のネジをゆるめると取り外せます。
ブラシ接触面は汚れているものの、そんなには減ってはいません。
でも、通電側、電源供給側の状態がよくありません。
スプリングの先端にブラシが付いていて、反対側にハトメが付けてあります。
これを押さえつけてコ字形の電源供給端子と接触する構造ですが、えらく
汚れていました。
どうやらこれが原因のようです
修理伝票に書くのなら「モータのブラシ部分が接触不良」。
さてさて、これで修理完了。
この先、何年使ってもらえるか…。
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2009年9月21日 07時07分
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確かにしっかり作ってると壊れにくくくて新しい製品が売れませんね(^_^;)
いいのですが、生き返らせるのはやっぱりむつ
かしいです。
いつ再発するか…
電気系も不安が残っています。
ケーブルも交換したいところです。
(外装硬化と銅線の変色)
ロータリースイッチの接点も不安。
(あのスイッチでモータの電力を開閉できるのか?)