ハンダ付け失敗例
仕事場のほうで頒布している「電池電圧チェッカーキット」、この組み立て
てで相談がありました。
『組み立てたけれど動かない。DC-DCコンバータが動いていないようだ。』
とのメールが届いたのです。
※参:≪回路図≫
こちらからの指示。(なんやかんや基本的な注意のほか)
・基板の様子、カメラで撮って送って。
・L2を外して、C4両端の電圧を測って。
L2を外すことで、電源部以外の異常と切り離すことができます。
でも、だめでした。
入力の電池電圧がドロップして出ているだけ、昇圧していません。
表面実装品であるDC-DCコンバータICはこちらで基板にハンダして
から出荷しています。
ひょっとして「逆付け」でもしたのかと、不安になりましたが、写真を
見るかぎり大丈夫そうでした。
考えられるのは「DC-DCコンバータICの異常」。
他人の目と手を借りた遠隔操作ではどうにもなりません。
そこで、ブツを仕事場に送ってもらうことにしました。
部品の実装ミスはありませんでした。
↓が問題部分周辺。
DC-DCコンバータが壊れているんだという思いこみで、まずICを交換
してみました。
でも症状は同じ。昇圧してくれません。
となると… (最初に熟考しとけば生きたICを捨てずにすんだんですが)
あやしいのは出力電圧を決めている二つの抵抗R5とR6。
目星がつくと異常にすぐ気が付きます。
目視だけでも怪しさが伝わってきます。
部品面の様子。
R6のGND側、スルーホールにハンダが入ってません。
ハンダ面の様子。
抵抗の足にハンダが着いているだけでパターンにハンダが流れてい
ません。
ハンダゴテの容量不足。
固化したフラックスのせいで抵抗が固定されているように思えます。
ハンダが流れるのを見届けずにこのポイントのハンダ付けを終わら
れたのでしょう。
典型的なハンダ付けの経験不足。
この修理、この部分のハンダの再加熱、追加ハンダで完了。
このほかにも、広いパターンの部分で怪しいところがいくつかありま
したので補修して作業終了。
無事に正常動作しました。
■貴重な失敗例ということで、ご本人に許可を得て記事にしました。
|
2009年10月23日 05時23分
|
記事へ |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
|
・電子回路工作 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/igarage/trackback/1769/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません