他人が作ったものの修理
以前、「トラ技」の記事にも書きましたが、
http://www.cqpub.co.jp/toragi/
(バックナンバー2005年6月号)
他人が作ったものの修理はたいへんです。
先日も、得意先から緊急の救助要請がありまして、名古屋まで出かけてきました。
とある機械の制御回路です。
現象は、
「機械が動かなくなった」
「表示も出ない」
「制御回路電源のトランスがあちち」
「制御盤の中から部品の焼ける臭いが」
というのです。
実働20年以上。
土木作業現場で使う装置だけに、歴戦の勇士です。
私のところで作ったものではありません。
装置を作った会社は行方しれず。
担当者も不明。
回路図など資料はいっさい残っていません。
昔の機械です。
マイコンなど使われていませんので、なんとかなるかと修理にとりかかりました。
トラブルの原因は電源回路の異常。
電源につながっている三端子レギュレータがおかしくなっています。
2系統独立した±電源で、両方ともボカン。
アナログ系ICが軒並み昇天しています。
別系統の電源なのに、デジタル系の4000番CMOS ICもその余波を受けてか、一部、動作不良になっていました。
何か、強烈なサージでも入ったのでしょうか。
発電機から動力200Vを供給して動かすのですが、詳しい状況はわかりません。
結局、ICは全数交換することにしました。
また、寿命を考えてコンデンサも交換。
アナログ系のOP-AMPやコンパレータICは、現在でも入手できる汎用品でした。
デジタルCMOSも何とか、日本橋で購入できました。
で、入手にちょっと手こずったのが表示に使われていたA/Dコンバータ。
モトロ−ラの「MC14433」が使われていたのです。
3・1/2桁の積分型コンバータです。
※この1/2桁って何?という話が、昔のトラ技で
ありました。
3/4桁ってな表現もあります。
この桁表示の意味、ご存じですか?
このA/DコンバータICの壊れかたが「けなげ」だったのです。
通電後10秒ほどでチップ表面がアチチ。
通電直後はなんとか頑張ってデータを出してますが、熱くて触れなくなる10秒ほどで動作停止。
冷えている間は、データを表示しようとする「最後のあがき」に感激しておりました。
基板パターンの保存を優先ということで、ICの足をぶちぎって取り外して交換。
とりあず復旧に成功!して名古屋から帰ってきました。
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2005年11月11日 10時34分
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