60Hzノッチフィルタ回路
ちょっとした信号処理で電源周波数の除去回路が必要になりました。
とりあえず西日本の60Hzで実験です。
試したのは二つの回路。
「ツインTノッチフィルタ」と「FDNRノッチ」。
FDNRは「Frequency Dependent Negative Resistance」の略。
ツインTノッチはこんな具合。
(クリックで拡大↓)
そしてFDNRノッチ。
(クリックで拡大↓)
ノッチ周波数が決まるCR定数、ちょっと変えて組んじゃいましたので
ツインTが60.47Hz、FDNRが60.29Hzとなっています。
抵抗は1%ものですが、コンデンサは5%のフィルムコンですんで誤差の影響大です。
LCRメータでの数値合わせはしていません。
とりあえず作ったという次第。
「Q」を適当に合わせて、出力波形の様子を見てみましょう。
50Hz〜70Hzをおよそ2秒でスイープしています。
黄色がTノッチの出力、緑がFDNR。
(クリックで拡大↓)
ノッチしている周波数、微妙に差があるのが見えます。
さてさて、ここで問題が…
電源電圧を下げると、FDNRのほうがうまく働かなくなってしまうのです。
U3とU4のダイナミックレンジの問題です。
参考本に書いてあったのですが、どの程度影響があるのか調べるのが、この
回路試作した目的かな。
上の波形は電源電圧±12Vでの観測。
入力波形はおよそ0.2V(RMS)。 P-Pでは0.6Vほど。
この状態で電源電圧を±8Vくらいまで下げると、FDNRのノッチ出力レベル
が上がってしまうのです。
電源電圧を±5Vまで下げるとこんな具合。
(クリックで拡大↓)
ツインTのほうはちゃんとノッチしていますがFDNRが×。
原因探求のため、FDNRの回路に記した(A)と(B)を観測したのがこれ。
(クリックで拡大↓)
黄色がFDNRの出力、緑が(A)点、紫が(B)点を観測。
U3とU4のOP-AMP出力が飽和してしまっているのです。
それで信号が処理されないという次第。
飽和しないよう、電源電圧を上げるとちゃんとなります。
(クリックで拡大↓)
でも、ツインTに比べたら同じ電源電圧でもダイナミックレンジが狭い。
入力信号0.6V(P-P)なのに、(A)信号が14V(P-P)になっています。
もうちょいしか余裕がありません。
このピーク、Qを変化させると変わるのでやっかいです。
見た目、シンプルな回路だけに使ってみたい気がするのですが、こんな
落とし穴があるということで、レポートおわり。
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2011年4月21日 15時37分
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