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2012年02月11日(土)
導通チェッカーの検出抵抗値を下げたい
仕事場で頒布しているマイコン型導通チェッカーに関し、こんな質問
(要望)を頂戴しました。

> 先日マイコン型導通チェッカーキットを購入させて頂きました。
> 本日早速製作しまして動作確認まで完了いたしました。
> 有難うございます。
> コンデンサを搭載した機器等では導通音(無音)は問題ありません
> でしたが、トランス等の抵抗値が0.5Ω近辺のものですと導通状態
> となってしまいます。
> ホロホロブザーですとトランスでも音色が変化するのですが、マイ
> コン型導通チェッカーでホロホロブザーの様に音色を変化さすこと
> は出来ますでしょうか?
> ご教授頂ければと思います。
> お手数お掛けしますが宜しく御願い致します。


まず… 導通チェッカーの電気的仕様。
測定端子開放電圧:0.5V(DC)、短絡測定電流:0.1mA(DC)です。

そして、標準的には
短絡〜10Ω  ブザー連続報知 (ピ〜)
10〜50Ω   ブザー断続報知 (ピピピピピ)
       抵抗値により、断続間隔が変化
>50Ω    報知停止
というふうに抵抗値を検出してブザー報知します。

質問は、もっと検出抵抗を小さくしたい、低抵抗を判別でき
ないかという内容です。
たしかに松下の「ホロホロブザー」では、10Ω以下になって
も短絡状態との違いが音の断続でわかります。
2〜3Ωでも違いがわかるでしょうか。
そのかわり、ホロホロブザーは電流が大きいのです。
ピークで50mAほど、平均だと20mAくらいです。
導通チェッカーの200倍の電流値です。
導通チェッカーは電子回路用に設計したもので、小さな電流で
チェックを行っています。
ですので、動力回路のチェックにはある意味不向きです。

内部の処理ですが、抵抗値の判別は以下のようになっています。
マイコンのA/Dコンバータ分解能、1ビットあたりおよそ1mVです。
測定電流が0.1mAですから10Ωの抵抗をつなぐと1mVとなり、
50Ωの抵抗だと5mV。
これ以下(10ビット分解能の数値で5)だと導通有りと判断して
いて非常に微妙な数値なのです。

以上のことを考えて、判別抵抗をもっと小さい値にする方法を
述べてみます。

(1)検出電流を大きくする。
 抵抗R1、R2そしてR6の値を小さくして測定電流を大きくして
 みる。
 電流を10倍にすれば現在50Ωの判断抵抗が5Ωになる。
 でも、R1とR2の抵抗が小さくなると、過大電圧を与えた時の
 耐性が弱くなる。

(2)IC3の直流増幅回路を試してみる。
 マイコン内蔵A/Dコンバータの最小ビットは約10Ωとなっている。
 アンプを使い検出電圧を増幅すると、導通ありとブザー報知する
 抵抗値を今より小さくできるようになる。
 DC電圧として約10倍に増幅すれば10Ωが1Ωになる。
 しかし、OP-AMPのオフセット電圧や、電源電圧(電池電圧)に
 よる変動、外乱(誘導ハム、ノイズ)など、常用するには「不安定」
 なこともあり、キットでは省かせてもらった。
 「回路を見て原理を理解できる人は実験してみて」ということに
 している。

以上のようなことが考えられます。


※追記:とりあえずの案

検出電流を約3mAにする方法。



これで、元の1/30の抵抗値を判別できるようになります。
現在の設定では50Ω以下で断続報知。
これが約1.7Ωになります。
10Ω以下での連続報知、これが約0.3Ωに変化。

  ※R6のかわりに付加したダイオードで0.6Vほど
   電圧が低下するので、検出電流もその分(0.6mA)
   減って2.4mAくらいになるでしょう。
   また、電池電圧の影響も受けます。

設定項目2の断続報知(モールスでK)の設定を少し
大きくしておくと良いでしょう。 (初期値=5)

この改造で「100Vに触っても壊れない」という特徴が
失われます。
R1が発熱するのです。
  Power = V x V ÷ 抵抗値
ですんで、許容W数の大きな抵抗が有利。
24Vなら約0.5Wなので大丈夫です。
  ※回路図には1/4Wと記していますがキットでは1/2Wの
   抵抗を使っています。


※もう一つの案:スイッチで測定電流を切り替える

スイッチ、抵抗、ダイオードを付加し、こんなのはいかがでしょう。



電子回路用の測定電流0.1mAと、低い抵抗値をチェックできる
動力回路用2.5mAをスイッチで切り替える方法です。

パネル面に小型のトグルスイッチを取り付け、
空中配線で抵抗とダイオードを飛ばす、てな具合でしょうか。



2012年2月11日 21時39分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| ・電子回路工作 |
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