導通チェッカーのブザー報知周波数
自作の導通チェッカー、トラ技に載せてもらったのが1996年。
いつのまにか16年が過ぎてしまいました。
そして、この回路を100円ラジオのケースに入れたのが2004年。
なんやかんやで100円ラジオが無くなってしまい、頒布キットは市販の
プラケースに変えました。
その後、回路を見直してマイコン型導通チェッカーに。
これが2008年。
で、現在に至っています。
このマイコン型導通チェッカーはATMELの「ATtiny25V」というマイコンで
動いています。
クロック源はマイコンに内臓のもの。
これでプログラムの動作速度が決まり、ブザー報知音周波数も決まり
ます。
このマイコン内蔵クロックの周波数、どうも誤差が大きいようなのです。
ICを購入した時のロットにもよるのでしょうが、ちょっと気になり出しました。
最新のはこんな分布になっていました。
プログラム済みのチップ20個を3Vで動作させたときの、ブザー報知音
周波数(2kHzを出すようにしている)を計った結果です。
周波数の低いほうから並べます。
(単位はHz)
1967Hz
1969
1971
1987
1989
1989
1990
1990
1992
1993
1994
1997
2002
2005
2012
2021
2026
2030
2032
2052
20個の平均値は「2000.4Hz」で、ほぼドンピシャなんですが、
標準偏差が約「22」っと、ばらついています。
最大で+52Hzです。
これがどうも、よくありません。
ブザーにマグネチック発音体を使って、「ちょっとでも大きな音を」
っというふうにしてるんですが、ブザーの共振周波数と微妙にズレ
てしまうようで、音の大きさに差が出るのです。
もちろん、ブザー側にも誤差がありますし、ケースに開ける穴の
大きさでも一番大きく聞こえる周波数が変わります。
現在、報知周波数の設定(10段階)はこんな具合におおざっぱ。
0:1.0k 1:1.2kHz
2:1.5k 3:1.8k
4:2.0k 5:2.2k
6:2.4k 7:2.7k
8:3.0k 9:3.3k
微妙な周波数調整はできません。
今回、これを2kHzを中心に50Hz単位で変化させられるようにしよう
かと、実験してみました。
0:1.75k 1:1.80kHz
2:1.85k 3:1.90k
4:1.95k 5:2.00k
6:2.05k 7:2.10k
8:2.15k 9:2.21k
例えば、このようになります。
上の箱のブザー穴は製作指定のとおりに3.2Φ。
下の箱は、穴経を大きくするとどうなるんか?っと試したもの。
3.2Φだとだいたい2.0kHzで共振するようで、このあたりの周波数で
音が大きくなります。
ところが大きな穴だと微妙に周波数が下がるのです。
どのくらいなのかと調べたのが、下のオシロ波形です。
(クリックで拡大↓)
ブザー穴のそば50mmくらいの所にコンデンサマイク+1石アンプ
を置いて、そのアンプの出力波形を見ています。
そして、オシロの波形を3枚重ね。
時間軸:0.5ms/div、Y軸:0.2V/div。
波形、上から
2.00kHz 0.24V(p-p)
2.10kHz 0.10V(p-p)
1.85kHz 0.42V(p-p)
っと、2kHzより低い周波数で音量が大きくなっています。
電圧レベルで倍近くということになりました。
ということで、マイコン内蔵クロックの誤差、そして穴径による違い
を吸収するため、キットのマイコン、こまかく周波数調整できるよう
にしたプログラムにして出そうかと考えています。
現在は「BZ1」というバージョンです。
※これからは、制御プログラムのバージョンをBZ2にして頒布します。
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2012年3月7日 16時05分
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