ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
★ZAQのBlogari停止のため、あれこれ「データ吸い出し」対策しています。 新規記事はとりあえず停止。 コメント書き込みはまだ有効です。 (JH3DBO 下間憲行)
2006年01月10日(火)
CANONのインクジェットプリンタ
CANONのインクジェットプリンタユーザーならご存じかもしれませんね。
プリントヘッドの駆動機構部に半透明の薄いフィルムが見えているでしょう。

この写真ではちょっと分かりづらいですが、ヘッドの駆動に関係する部品として、
ガイドレールのパイプ、タイミングベルト、印字信号を伝えるフラットケーブル、そして半透明の薄いフィルムが見えています。


ヘッド部の基板に乗ったセンサーがこのフィルムをはさみこんでいます。
印字タイミングを作っているのだろうと推測していましたが、そのとおりでした。
壊れたBJF-870をバラして、フィルムを顕微鏡で拡大してみたのです。
(顕微鏡写真を撮れないのが残念)
1mm間約12本の黒い帯が印刷されていて、透明なフィルムなのですが、黒い帯が入っているので半透明に見えているのです。
1インチ25.4mmにするとおよそ304本。
2相パルスとして各エッジをとらえると、1200パルス/インチという値が出てきます。
これがプリンタの印字密度になるのでしょう。

ヘッドの左右駆動にはパルスモータ(ステッピングモータ)ではなく、普通のDCモータが使われていました。
(電線2本)

このモータを正逆回転させてヘッドを左右に振り、フィルムの濃淡でタイミングパルスを得て、印字位置を決めている処理の様子が見えてきます。

濃淡センサーには「Agilent」の銘が入っていますが、現在は「Avago Tech」のサイトで資料が見つかります。


フィルムを定規に当てて、仕事場のデジタルカメラRDC-i500(リコー)で撮ってみました。

マクロ撮影が得意なカメラでして、レンズから1cmくらいまで近寄れます。
(↑撮影画像の中央付近をトリミングしてリサイズ)


下の方の目盛り一つが1mm。
なんとかフィルムに入っている線が見えています。
(↑これは元画像をトリミングしただけ)


※2006-01-12
水魚堂の岡田さんよりメール+写真を頂戴しましたので紹介します。

> ブログに載っていたリコーの接写に感心しつつ、ふと目の前のカラープリン
> ター(HP Deskjet970cxi)を覗いたら、良く似たテープがありました。
> BJF-870に比べると粗いですね。 6本足らず/mm = 150dpi というところでし
> ょうか。
>
> 私のPowerShot A400でも結構撮れることにいまさら気づきました。
>
> 最高解像度にすると日付が写しこみにならないので、普段は低解像度で使って
> います。そのせいでカメラの能力を過小評価していたみたいです。






2006年1月10日 22時30分 | 記事へ | コメント(4) | トラックバック(1) |
| ・電子回路工作 |
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プリンタの解析記事 2006年01月13日(金) 17:50 by kuriharaの月記
居酒屋ガレージ日記にCANONのインクジェットプリンタの解析記事があります。 http://blog.zaq.ne.jp/igarage/article/284/
2006年01月11日(水) 22:19 by 水魚堂 岡田
そのフィルム、仕事場のCANONのプリンタにもありました。

接写能力凄いですね。実体顕微鏡程度の能力はありそうな感じ。
2006年01月13日(金) 18:07 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
濃淡を4逓倍したら600DPIになりますね。
Aligentのセンサーは、A/B相2相出力になっています。
2006年01月14日(土) 06:59 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
kuriharaさん、トラックバックありがとうございます。
DCモータでの位置決め疑問に思っていたので参考になりました。
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