CANONのインクジェットプリンタ
CANONのインクジェットプリンタユーザーならご存じかもしれませんね。
プリントヘッドの駆動機構部に半透明の薄いフィルムが見えているでしょう。
この写真ではちょっと分かりづらいですが、ヘッドの駆動に関係する部品として、
ガイドレールのパイプ、タイミングベルト、印字信号を伝えるフラットケーブル、そして半透明の薄いフィルムが見えています。
ヘッド部の基板に乗ったセンサーがこのフィルムをはさみこんでいます。
印字タイミングを作っているのだろうと推測していましたが、そのとおりでした。
壊れたBJF-870をバラして、フィルムを顕微鏡で拡大してみたのです。
(顕微鏡写真を撮れないのが残念)
1mm間約12本の黒い帯が印刷されていて、透明なフィルムなのですが、黒い帯が入っているので半透明に見えているのです。
1インチ25.4mmにするとおよそ304本。
2相パルスとして各エッジをとらえると、1200パルス/インチという値が出てきます。
これがプリンタの印字密度になるのでしょう。
ヘッドの左右駆動にはパルスモータ(ステッピングモータ)ではなく、普通のDCモータが使われていました。
(電線2本)
このモータを正逆回転させてヘッドを左右に振り、フィルムの濃淡でタイミングパルスを得て、印字位置を決めている処理の様子が見えてきます。
濃淡センサーには「Agilent」の銘が入っていますが、現在は「Avago Tech」のサイトで資料が見つかります。
フィルムを定規に当てて、仕事場のデジタルカメラRDC-i500(リコー)で撮ってみました。
マクロ撮影が得意なカメラでして、レンズから1cmくらいまで近寄れます。
(↑撮影画像の中央付近をトリミングしてリサイズ)
下の方の目盛り一つが1mm。
なんとかフィルムに入っている線が見えています。
(↑これは元画像をトリミングしただけ)
※2006-01-12
水魚堂の岡田さんよりメール+写真を頂戴しましたので紹介します。
> ブログに載っていたリコーの接写に感心しつつ、ふと目の前のカラープリン
> ター(HP Deskjet970cxi)を覗いたら、良く似たテープがありました。
> BJF-870に比べると粗いですね。 6本足らず/mm = 150dpi というところでし
> ょうか。
>
> 私のPowerShot A400でも結構撮れることにいまさら気づきました。
>
> 最高解像度にすると日付が写しこみにならないので、普段は低解像度で使って
> います。そのせいでカメラの能力を過小評価していたみたいです。
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2006年1月10日 22時30分
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接写能力凄いですね。実体顕微鏡程度の能力はありそうな感じ。
Aligentのセンサーは、A/B相2相出力になっています。