自滅…防塵パッキンがぁ
ちょいと昔の資料を探していたら、2000年に発生したトラブルの
写真やデータが見つかりましたので紹介しておきます。
モノはオムロンの「サムロータリースイッチ:A7PS」。
このスイッチの中に仕込まれた防塵対策パーツの経年劣化が
原因だったのです。
まずは2000年に撮ったこの写真を↓
当時、NIFTYのFAフォーラムに書き込んだログを引っ張り出してきました。
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先日のこと、こんなトラブルに遭遇しました。
そのことで、みなさまのお知恵と体験談をお聞きしたくって、書き込み
する次第です。
かれこれ10年以上前に製作した装置で使っていた、オムロン製の
サムロータリスイッチ「A7PS−207」。
このロータリスイッチの調子が悪くなり(接触不良)、寿命と判断して
新品に取り替えしました。
交換の結果、装置は正常に戻りました。
その後、どんな具合に接触不良が起こったのか興味があったので、
取り外した古いスイッチをバラしてみました。
プリント板を支持している4本の柱の頭をカッターで削れば、パカッと
外れます。
その様子を観察したところ、接触部を保護している防塵パッキンの周囲
が腐蝕しているのが目に付きました。
このせいで接触がおかしくなったのじゃないかと推測できます。
接点部の金メッキされたプリントパターンの、パッキンの当たっている
部分が緑色に変色しているのです。
取り替えた4つのデジタルスイッチのうち、2つをバラしてみましたが
2つとも同じような具合でした。
使っていた装置の設置使用環境ですが、工場ではなく一般事務所の中で
使うもので、四六時中運転するのではなく、たまに使用するという一種の
計測器です。
水などの液体がかかるような場所ではありませんし、活性ガスの発生環境
でもありません。 スイッチの外観にも汚れは見られません。
A7PSは「+」「−」のボタンを押して設定するタイプのデジタル
スイッチで、「防塵製・有」とうたわれているものです。
もろに接点が見える「A7MA」でさえ、プリントパターンが腐蝕する
というたかたちでのトラブルは経験していません。
そうとう古い装置ですので「寿命」といえばそれまでですが、外見は
新品同様のスイッチだけに合点がいきません。
その後、メーカーであるオムロンに問い合わせをしてみたところ、
「知らないうちに水が入ったのでは」
「結露かもしれません」
という解答が返ってきました。
しかし、ゴムパッキンをよく観察してみると、経年劣化してパリパリ
になっており、この変質のせいでプリントパターンを腐蝕してしまったので
はないかという思いがつのってきます。
ゴムに含まれる硫黄のせいか、
変質の過程で吸湿しやすくなったのか、
う〜〜ん、化学の世界ですな。
作って10年とはいえ、せっかく設計・製作した装置がこんな単純なこと
でトラブルになってしまうとはくやしいのです。
オムロンとのやりとりですが、
先週、7月11日に「お客様相談室」にトラブルの症状をfax。
しばらくして、「お客様相談室の担当者」かtel入る。
その後、「地区担当の営業の人」からもtel。
このときに 『水・湿気でしょう。』 との解答。そして、
『パッキンの材質はエチレン・プロピレン・ゴム』 だと。
「現物を送りまっさかい送り先をfaxして」っと言ったのですが、先方からの
fax入電せず。
この話以降、その後、何も言ってきません。
このときの電話で、
「営業の人じゃなくって技術セクションの人と話をさせて」
と申し出ましたら、
『それはちょっと・・・』っと、拒否されました。
(何か隠そうとしているとしか思えんぞ。 →営業
エンジニアどうしで話がしたいのに。)
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2000年7月の話でした。
写真を撮ったのは35万画素(VGA)のデジタルカメラ。
富士のDS30。
★壮絶死…かわいそうな電子部品
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・JH3FENの思いつくままに : LSG-221A 修理 その2
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2012年6月27日 13時08分
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JH3FEN岡田と申します。
私が分解したSWも同じで、外観はきれいなのに、緑色の錆状のものが付着していて使えなくなっていました。
技術者と直接話しをしたり、本格的調査をするとメーカーのボロ?が出てしまうので、避けたのでしようね。
安藤電気は横河電機に吸収されましたが、残念ながらこの手の測定器のメンテはもうやってくれないとの事です。業種は違うがTEACを見習えと云いたい(笑)
(オムロンの対応に怒られてました)
FDEVICEにも書き込んだんですが、反応無しだったと思います。
産業機械や計測器って20年以上使うのがざら。
昔々に作った制御装置、「ライン替えするからメンテして」なんて依頼があって『まだ使っているんですか!』って驚いたこともありました。
製鉄所の過酷な環境で使用した筐体を開放しても塵一つ無し。
戦後数十年経って琵琶湖の湖底から引き上げられた零戦。取り付けられていた北辰製の計器に一滴も水が入っていなかったとの噂は本当だと思いました。
もちろん横河でのメンテ不可。でも壊れないから修理も必要ない。
古き良き時代の失われた技術かな。
製造過程で、有機溶剤等で洗浄があったのかどうかはわかりませんが、何だかの要因で水分が残り、マイグレーションを起こしたのかも知れませんね。
環境というより素材の性質なんでしょ。
ガレージ常連に「ゴム屋(メーカー)」がいます。
昔、このトラブルの時にも話を聞いたはずなんですが、せっかくですんで、エチレンプロピレンゴムについて、もう一度聞いておきます。