「大阪消防」に
図書館に行ったとき、毎号チェックしているのが大阪市消防局が出す冊子「大阪消防」です。
火災原因を解説している「鑑識レポート」や、事故などでの救出事例を紹介する「コマンド・アイ」が楽しみです。
新聞には出てこない、現場のお話しなので興味津々です。
鑑識レポートでは、電気が原因の火災が良く出ており、今回は自動車でした。
発熱するエアコンの配管に電線が接触して出火、というお話しです。
今号で興味深かったのが「リニアモータ駆動式地下鉄における救助方法について」という、鶴見消防署の記事です。
先日実施した地下鉄8号線見学会で、この方式の地下鉄設備を見せてもらっていたので、具体的イメージがわきます。
従来の地下鉄に比べてトンネルの直径が1m小さくなって建設コスト面で有利、というのがリニア地下鉄の特徴です。
しかし、車両が小型になったことで、人身事故が発生した時の救助作業が困難になるだろう。どうしたらよいか、というのがこのレポートで検討されています。
リニア地下鉄の床下機器とレールまでの隙間は13cm。
床下機器と枕木までが33cm。
レールの中央には幅37cmのリアクションプレートがあり、プレートと左右の線路との間隔は53cmしかありません。
上の図のように、13cmしか隙間がないのでここから人を引っ張り出せないのです。
車両をジャッキアップすれば、ということも見当されていますが、15cmほど浮かさなければならず、片側だけのジャッキアップでは脱線の危険があり、車両全体を持ち上げる4点ジャッキアップの必要があるということなのです。
床下へ進入できるのは、車両の前後部から(1)、車両側面の車輪そば(2)、車内の床にあるトラップドア(3)の3カ所しかないのです。
そこで、要救助者をこれらの進入口まで「引きずって」持ってくるしかないだろうというのが結論なのです。
安全に引きずるための道具、バックボードという名の薄板を使ってという作業方法が検討されています。
「・・・車両下の空間が小さくなっているため、要救助者が成人の場合にはその救出は困難となるが・・・」と最後に記されています。
不幸な事故が起こらないことを祈っています。
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2006年3月4日 07時25分
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