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2013年06月10日(月)
「と」関連本
安斎育郎著「不思議現象の正体を見破る」



「とんでもさん」をちゃかす組織(!)として
「と学会」 が有名ですが、
Japan Skeptics(ジャパンスケプティクス)というのもあるんですね。
この本を読んで、著者名で検索したら出てきました。

   JAPAN SKEPTICS (ジャパン スケプティクス)ま
  たは『「超自然現象」を批判的・科学的に究明す
  る会』は、「超自然現象」の批判的・科学的な研
  究の推進と研究者の交流を目的として、1991年4月
  に設立されました。
   今日、科学技術が急速に進歩する一方で、科学の
  理論体系や方法論を根底から否定するような主張が
  数多く見られます。超能力、心霊現象、UFO、予
  言、テレパシー、占いといった多様な「超自然現象」
  がテレビや雑誌に興味本位で取り上げられ、一般の
  人々の科学理解の形成を阻害する重要な要因の一つ
  になっています。
   一般の人々は、私たちの先達が論理と思考を積み
  重ねて築いてきた科学的な認識を十分修得できない
  まま、自然現象や社会現象についての非合理的な解
  釈に走り、そのことが原因となって不本意な生き方
  に陥るようなケースさえ多々生じています。
   この時にあたり、JAPAN SKEPTICS は、社会が疑似
  科学や非科学に傾斜していく風潮を危惧し、「超自
  然現象」と呼ばれる現象を批判的・科学的に究明す
  る立場から、学際的な活動に取り組んでいます。
   私たちと志を一にする組織は世界20ヵ国に70
  以上存在し、「超自然現象」を無批判に受け入れる
  社会に警告を発しています。

っと、趣旨が記されています。

図書館で借りてきたこの本は2001年5月に出版されたもの。
21世紀になってからの本とはいえ、内容的には古く感じ
ます。
明治時代の霊能者(千里眼や念写)の話が出ていたり、
新しいものでも「ユリゲラー」に「ノストラ」。
安斎育郎さんがかかわるHPを見てますと、現在は「と」よ
り原発事故のほうに軸足を置かれているようです。
311の原発事故のほうが現実世界の話として深刻だし。

安斎育郎さんがこの本でこんなことを語られています。

・釈迦仏教本来の立場は「霊魂不説」。
 つまり仏教は霊魂を説かない。
・ところがその後に「輪廻転生:生まれ変わりや死に
 変わり」の考え方が導入され、「輪廻する主体」が必
 要となりそれを「霊魂」と見なすような立場が生まれた。
・仏教宗派の多くは「霊は存在しない」という教えだが、
 宗派の違いだけでなく同じ宗派でも寺院や僧侶により
 てんでバラバラの霊魂観を説いている。
・「たたり」についても「たたりなんてあるはずがない」
 という立場の宗派もあれば「たたりがあると日蓮聖人が
 言われている」という立場の宗派もある。
・このような状況だから日本人の霊魂観はまったく定まっ
 ていない。

さらに、面白い話がありました。

・死んで火葬されればカラダを構成していた諸元素は
 煙やガスになって環境に放出される。
・例えば炭素は炭酸ガスになって大気に混じる。
・そして、元は自分のカラダの構成要素だった炭素が、
 炭酸ガスとして植物の光合成で野菜や草木に取り込ま
 れる。
・それが食べられ、他の動物やヒトのカラダを作る細胞
 に取り込まれる。
・炭素だけでなく、水素や酸素、窒素などすべての元素
 が死とともに自然の巨大な輪廻のプロセスに加わり
 再利用されていく。
・この元素の「使い回し」が「輪廻転生」を科学的に解釈
 したような気がして面白い。

この考え、なかなか興味深いです。


もう一つの本が「ニッケル博士の心霊現象謎解き講座」。



2000年3月出版で、こちらはおもにアメリカの話。
昔からある降霊会や霊媒師、心霊写真にポルダーガイスト
をあれこれ解説されています。
妖精やゾンビ、吸血鬼、狼男が出てくるのは宗教感の違い
でしょうね。
詳細な調査をされていますが、「ホンモノは無し」という
ことで決着。

しかしなんですな。
この手の心霊現象話、自分の体験を元に語られるものだか
らちょいとひねりが不足。
話の発端が自分なんで、「この想像世界はすごいぞ」とい
う感動が生まれません。
なんというか、SFで語られる宇宙にはもっと奇抜な生命体
や世界が出てくるんですが、以外とまともなんですよねぇ。
人間世界から離れられていないし。
もっと面白い発想はないのかと思えちゃうんです。
  (そんな世界を思い浮かんだらんらぜひSF小説に!)
「Xファイル」みたいなサスペンス仕立てでも面白い
かなぁ。



2013年6月10日 10時11分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| ・本 / ・サイエンス |
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