「ふわふわの泉」:おすすめSFです!
いやぁ、面白かった。
野尻抱介さんの「ふわふわの泉(いずみ)」。
マンガな表紙ですが、これはハードSFです。
(今日はとりあえずタイトルだけを紹介)
アーサー・C・クラークさんの「楽園の泉」は、軌道エレベータのお話しですが、この本ではカタパルトで宇宙を目指します。
そのカタパルトを作る方法がすごい。
「楽園の泉」は「SFマガジン」の連載で読みました。
もう25年くらい経つのでしょうか?
あのころは毎月のSFマガジンを読むのが楽しみでした。
しばらく遠ざかっていたのですが、最近、息子が買ってくるようになり、「やっぱり、SFおもしろい! 好きだよう〜」です。
※SFマガジンの目次を見ると「楽園の泉」が連載されたのは1980年ですね。
http://homepage2.nifty.com/te2/m/sfm1980.htm
続く・・・。
※続き
「楽園の泉」は、ごくまっとうな方法で軌道エレベータを作るぞっていうお話しですが、「ふわふわの泉」は、浮力のある材料を利用して成層圏の上部に衛星打ち上げ用カタパルトのプラットホームを建設しようというところまで行き着きます。
その材料「ふわふわ」は、文化祭の展示品を製作している時に起こった落雷が原因で生み出されます。
直径0.05mm、炭素と窒素でできた中空の物質。
殻の厚みは原子数個分だけで、内部は真空。
大気圧に耐えて同じ体積の空気より軽いので、空気中では浮力が生じるのです。
これをたくさん集めれば、風船ができ、飛行船ができ、空に浮かぶ島ができ、長大橋もでき、っと夢の物質が役に立ちます。
地上では、大気圧の関係でこの大きさのふわふわしかできないのですが、圧の小さな高い場所にふわふわの工場を作ればもっと大きなふわふわができるという理屈で、ふわふわが到達できる高度を上げていきます。
そうして生まれたのが赤道上空9万6千メートルの軌道カタパルト。
全長1100kmという構造物を大気圏の上部にふわふわで浮かすのです。
大気の摩擦がほとんどない高空でもって、衛星となる速度までリニアモータを使って加速して宇宙に出ようというのが、この軌道カタパルトです。
「ふわふわの泉」ざっとこういう夢のお話しです。
「楽園の泉」と同じように、異星人との接触もあります。
主人公が女子高生、っというのも今風です。
「楽園の泉」を読んでから「ふわふわの泉」を読むほうがよいかしら。
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2006年4月3日 22時43分
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