ACアダプタ試験回路:電気は熱になるんです…
ACアダプタ試験回路での瞬時電圧電流取り込み、ざっとできました。
で、あれこれ試したいたらこんなことに遭遇…
ちょいと欲張って、パワーMOS FETを飛ばしてしまいましたよ。
そこそこの負荷を測定対象にぶら下げられるよう、こんな
ヒートシンクを使っています。
これで、20〜30Wは大丈夫だろうと。
それに測定時間が長いわけじゃなし… と甘い考え。
FETは2SK2232。 60V、25Aというスペック。
こんなスイッチング電源をテストしてみたのです。
TDK製の24V・50W。 2A以上の電流を引き出せます。
まず、負荷1Aと2Aで、どんなAC電流波形になるかの、
波形取り込み。
●負荷1A
●負荷2A
(クリックで拡大↑)
AC100V電圧の山でどっと電流が流れています。
電流値も電圧値も飽和していないのは計算どおり。
(10bit A/Dの符号付きで±512がフルスケール)
ここらが「瞬時電力計算」→「実効電力測定」につながる
わけでして。
この測定の負荷電流を見て分かるように「2A」という値は
もう「ヤバイ」領域。
定常的には流していません。
電流を流してちょいと安定待ち。
そして測定(波形データのサンプリング)。
その後、定電流回路をオフしてデータの吐き出し。
こんな流れです。
次にしたのが電圧・電力変化の測定。
負荷を変えたときどんな電力変化になるのか、0.0→2.5A
まで0.1Aステップで放電させ測定しました。
負荷電流変更。 0.1秒待ち
測定に0.3秒。そして次の電流設定へ。
一つのデータ取得に約0.4秒。
2.5Aまで、およそ10秒で終わります。
得られたグラフがコレ。
(クリックで拡大↓)
目標荷電流が2.5Aですので二次側DCの電力は60Wばかし
に達します。 (青線)
電圧低下は電源の性能というより配線の電線での
ドロップでしょう。
測定した皮相電力(電圧、電流のRMS値を乗じる)と
実効電力(瞬時電力の積算)、そして効率(DC電力と
実効電力から計算)の変化が得られました。
しかし、この後が失敗。
この電源、上の実験のように2.5A負荷になっても電源保護
回路が働きませんでした。
その後、この挙動を確かめようとしたのです。
つまり、測定停止目標電流を決めるのではなく定電流異常
が発生するまで電流を上げ続けようと…
最初はグラフ化データを得たときと同じように0.1Aステップで
試しました。
すると、2.7Aあたりで保護が働くことが判明。
それで、気を緩めたのがまずかった。
もう少し細かく見てやろうと、電流増加ステップを20mAに
したのです。
100mA→20mAですから測定時間が5倍になります。
パワーMOS FET、この発熱に耐えられませんでした。
測定が終わって気が付いたら、ドレイン・ソース間が
短絡状態になってました。
ヒートシンクとの電気的絶縁を気にしなくて済む樹脂
モールドタイプなのも原因でしょう。
金属フィンが出たTO-220とは熱抵抗が違います。
大きなヒートシンクを付けていても、アウトなものは
アウト。
まぁ、失敗はつきものです。
※追記
パーワーMOS FET 、2SK2232からCEP603(手持ち品)に交換しました。
↓
2SK2232はフィン部が樹脂で囲まれていて、放熱板との
絶縁を気にしなくてすみます。
ところが「熱抵抗」は「3.57℃/W」。
これが、交換したCEP603のような金属フィンになると
「2.5℃/W」に。
理論上の無限大放熱器にくっつけたときの、素子部温度が
この熱抵抗で計算できます。
(これ以外にもあれこれパラメータはありますが)
例えば、50Wの電力を消費させると、金属フィンだと
125℃の上昇と計算できるのに対し、樹脂フィンだと
190℃。
こりゃもうアウトなのは当然。 (汗・汗)
で、この付け替えたCEP603、どこで手に入れたのか不明なんです。
Vdsは30Vと低めなんですが、Vgsが小さくて良なんですがねぇ。
(低いゲート電圧でオンして大電流を流せる)
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2014年3月26日 12時33分
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