整流ノイズ防止コンデンサ
ちょいとACアダプタがらみで、昔話を。
ブリッジ・ダイオードを使った全波整流回路、ダイオード
への電圧印加が逆転するタイミングでノイズが出ます。
※ダイオードの特性にもよるわけですが、一般整流
用ダイオードを4本使ったブリッジ整流回路が
くせもの。
整流ノイズとか転流ノイズと呼ばれ、電源周波数の倍に同
期してノイズが発生します。
整流回路に流れる電流が大きいほど顕著で、例えばダイ
オードの定格最大電流が1Aだからと、定格目いっぱいの
直流出力1Aを得ようとしたときにひどいのです。
高周波となったこのノイズが、AC100V側に逆流したり接
続コードから輻射され、主としてAMラジオの受信に影響
を与えます。
アマチュア無線をやり始めたとき(1970年)、母親の
愛用ラジオが真空管5球スーパー。
(1380・OBCの愛聴者でした)
自作した無線機の電源が、この状態になってしまい、
負荷電流が大きくなると、このラジオの音に「ジー」と
いう雑音がかぶります。
(BCIじゃない。 電波を出さなくても電源負荷を
重くするだけでアウト)
電源リップルによるハム音とは異なった、ジーという音
が放送に重なって聞こえるんです。
で、この対策として有効なのが、整流ダイオードに並列
に入れるコンデンサ。
ジャンク・パーツを解体していて、『対策してあるがな!』
ということで、写真を撮りました。
●トランス方式のACアダプタ
拡大↓
4つの整流ダイオードそれぞれに「0.01uF」のセラコン
が入っています。
●ジャンクの100V電源動作のラジオ
203ですから「0.02uF」。
●ジャンクのCD、DVDプレーヤ
ここにも「0.02uF」。
●回路図
1000PF〜0.01uFで効果あります。
AC100Vラインにつながった他の機器(ラジオやアンプ)
に影響が出るのでやっかいなんです。
最近はライン・フィルタが入っているなど、ノイズ対策
されているものが多くなり、整流回路のダイオードに付
けるこのコンデンサは見かけなくなりました。
ダイオードの特性も、良いほうに変わったのでしょう。
■けれど…
不思議と半波整流回路やセンタ・タップ付きトランス+
ダイオード2つの両波整流回路、あるいはにセンタ・タッ
プ付きトランス+ブリッジ・ダイオードでの±電源を
取り出す回路では、この雑音はひどくなりません。
2次側単巻きトランス+ブリッジ・ダイオードの組み合わ
せでひどくなります。
昔のオーディオ・アンプやチューナ、テープデッキなど
では、このノイズ対策を施した機器が多かったのですが、
電源回路がスイッチング方式になり、これが使われてい
るのを見ることが少なくなりました。
■ちなみに
4本のダイオード全部にコンデンサを入れなくても、
こんな接続でも効果があります。
|
2014年7月14日 21時27分
|
記事へ |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
|
・電子回路工作 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/igarage/trackback/3836/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません