修理:INAX製トイレ用リモコン
INAXのシャワートイレ用リモコンが動かないという修理依頼。
メーカーに言えば修理部品として入手できそうなのに、
「無い」「修理対応不可」「新しいのを買え」っと
言われたと。
新しいのって、このリモコンの代替品じゃなく「便器」ごと。
(ひどい…)
やってきたリモコンがこれ。
赤外LEDが2つ付いています。
電池消耗警報用赤色LEDのそばと、右下のコーナー。
スイッチを押してもこれが光りません。
で、基板を裸にしてから外部電源3Vを供給。
・オシロスコープで赤外線LEDの駆動電圧を観測。
スイッチを押しても駆動されず。
・LEDを駆動しているトランジスタ(おそらくFET)のベースにも
駆動パルスは出ない。
・電源電圧を2.4Vまで低下させると、電池消耗警報赤色LED
が点滅し始める。
・スイッチを押すと、スイッチをスキャンするパルスが見える。
これらのことから回路は生きているもよう。
・マイコンのクロック発振はOK。
(セラロックと時計用水晶の両方乗せてある)
・スイッチとマイコンのピン間の接続を導通チェッカで
確認。 すべてつながっている。
・マイコンのリセット回路もOK。
・顕微鏡での観察で元のハンダに若干不安を感じたので、
赤外線LED駆動トランジスタにつながるマイコンの足
スライドスイッチの足(スイッチ×4)
を再ハンダ。
・その結果、スイッチ操作で赤外線LEDが光るようになった。
さて、LEDが光るようになったのはいいんですが、故障の
根本原因はなんでしょね?
行った作業から推定できるのは次の二つ。
1.スライドスイッチの接続がおかしかったとした場合、
例えば、誤ったスイッチ位置情報が出たため、LEDを
駆動しないような状態になったかもしれない。
2.マイコンの足への再ハンダで、ピンがハンダで加熱さ
れ、内部のボンディングはずれが復活した可能性。
この「2.」の推定なんですが、こんなことってあるでしょ
うか?
マイコンのピンと駆動トランジスタのベース間の導通は、
信号チェックで先に確認しています。
ただし、マイコンの足もTrの足も、チェックの時には
チェッカのクリップでつまんだ細リード線の先端で、
少しチカラを加えて押さえているわけで、フリーな状
態での導通確認じゃありません。
ピンとパターンが、微妙な接触状態になっていたのか?
とりあえず、こんな具合に赤外LEDが光ります。
デジカメで見たら、赤外線の光が見えます。
基板はこんなの↓
※参考
・SMDマーキングコード
駆動トランジスタ、マークは「NO」。
ルネサスの2SK1592のようです。
|
2015年8月3日 14時32分
|
記事へ |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
|
・修理 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/igarage/trackback/4202/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません