ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
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2006年09月12日(火)
「ものが壊れるわけ 壊れ方から世界をとらえる」
本の表紙にはなにやらガラス食器などの写真が写っていますが、そんな簡単な壊れ方の話じゃありません。


「マイク・E・エバハート」さんという材料化学の先生のお話です。
本の中は全部文章。式や表、写真、イラストなどいっさいありません。
壊れる:鉄が裂ける。ガラスが割れる。原子が割れる。
あれこれ興味深いお話しが出ています。

●客船タイタニック号
当時の鉄は硫黄の濃度が高かった。
氷山のあるような低温にさらされると、とたんにもろくなる。
タイタニックが氷山に負けたのは鉄のせい。

この章に書いてあった興味深い元素のふるまいは・・・
「鋼鉄などの合金の中に含まれる望ましくない元素・・・ゲッター(吸収剤)をかけることで・・・望ましくない元素を除く。たとえば鋼鉄にはマンガンが意図的に加えられる。マンガンは硫黄と反応して安定した化合物(硫化マンガン)を作る。これで硫黄原子は動けなくなり、鉄の結晶粒界まで移動できない」

おぉ。「周期表」の世界です。


●原子力電池

ロケットの打ち上げが失敗したり、大気圏に突入しても原子力電池を壊れないように。究極の破損対策です。
原子力電池には「二酸化プルトニウム」が使われます。
なんで酸化させてあるのか?
金属プルトニウムだと燃える。
あらかじめ酸化させておけば燃えない。
燃えなければ微粒子にはならない。 ・・・なるほど。

「原子力電池」に使うプルトニウムは連鎖反応するPu239ではなくアルファー線を出すだけのPu238が使われる。
原子力電池は核爆弾にはならないのだ。  ・・・なるほど。

Σprojectさんで「ボイジャー君見っけ!!」のお話しがでていましたが、原子力電池が活躍しているのです。

ボイジャー探査機の旅は・・・
http://www.infobears.ne.jp/athome/cactus/voyager-pioneer.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC1%E5%8F%B7
http://www.jaxa.jp/news_topics/interview/vol18/p2_j.html
http://www.wdic.org/w/SCI/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E9%9B%BB%E6%B1%A0
をどうぞ。

2006年9月12日 23時15分 | 記事へ | コメント(1) | トラックバック(0) |
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真空の中に持ち込む金属には,仕事柄いろいろ苦労しました。
ガス放出をするものは困りますし,電子すなわちエミッションに悪戯する元素はもってのほかです。
それでも,加工上,脱酸だとかここに挙げられた Mn のようなそれぞれ目的を持った元素(我々にっつては不純物)もわずかには含まざるを得ないのでした。
カソード地金は,Ni ですが,極々微量の Si W そのほか いくつかの元素を入れていました。Mg アクティブの地金もかつてはありましたが,初期エミッションは出しやすいものの,蒸発が早く絶縁も損ねやすいから,私たちが CRT を作り出すころの真空管ではすでに影を潜めていたように思います。
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