電源の修理依頼
下の息子の友人から依頼がありました。
「出力電圧12Vの電源がおかしくなって7Vくらいしか出ない」「修理できますか?」という相談です。
アルインコ製の12V・3A出力。 スイッチング電源ではありません。普通のシリーズ・レギュレータです。
「なんたら40」なんていう型式名が付いていますので40Wということなのでしょう。
さっそくケースを開けて中身を調査。
(↑修理完了後の写真です。)
ケースの真ん中にトランス。リアパネルがヒートシンクで、パワートランジスタがネジ止めしてあります。
制御回路がフロントパネルの裏側に取り付けてあり、これを外すのに手間取りました。
上の写真を見るとわかるように、DC電源の出力端子はフロントパネルに出ているスピーカー端子です。
これの足がパネル裏の基板でハンダ付けされているのです。
単純にハンダしてるのではなく、こじった時のハンダ割れ防止でしょう、端子のベロに細い単線(きっと抵抗やコンデンサの足)を通して基板と付けてあるのです。
なかなかうまくはずれません。
ちょっと手間取りましたが、基板の部品面を拝むことができました。
下の写真、セメント抵抗の上に4つ並んでいるちょっと広いハンダ箇所がその端子部分です。
基板に乗っていたのはICが一つ。
UA723という有名な電源ICです。
さて、何がおかしくて出力が出なくなったのか?
ICの基準電圧端子に出てくる電圧を測っても定格値。
パワートランジスタは生きていますし、負荷を加えても7Vしか出力電圧は出ませんが、それなりに安定化はしています。
ICの電圧制御入力を見てもきちんと制御しているので、ICは生きているという判断です。
それじゃなに?
出力電圧を抵抗で分圧し、その値が制御電圧入力と同じになるようフィードバック制御が行われます。
その分圧部分がおかしい?
回路を追いかけると調整のための半固定ボリュームが入っています。
それがこれ↓
ずいぶん安物です(Hi)。
基板から取り出してテスターで計ると・・・やはりおかしい。
しかし、この電源、電圧調整用ボリュームがおかしくなって制御不能になったとき「最大電圧がでてしまう」なんてことはないように分圧回路が工夫してありました。
そのせいで7Vに落ち着いていたのです。
手持ちのもうちょっとましな半固定ボリュームに付け替えて修理完了。
出力端子の取り外しに手間取りましたが、症状から不具合の原因が推測できる故障でした。
めでたしめでたし。
|
2006年9月23日 18時59分
|
記事へ |
コメント(4) |
トラックバック(0) |
|
・電子回路工作 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/igarage/trackback/530/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
> 半固定ボリュームが入っています。 ずいぶん安物です(Hi)
この落差に「座布団 1枚」謹呈。
斜めになっている青いのが主平滑コンデンサです。
基板に直ハンダされているわけですが、
エエかげんに取り付けられています。
シリコンボンドで固定されていた痕跡はあるのですが、
外れていました。
ホットボンドで補強。
ところで、2番目の写真は、修理後の写真ではないのですか。半個が・・・
写真を撮ったのは修理完了後のことです。
修理前にはない青色の半固定に気が付かれたのですね。
(写真下にコメントを追記しておきました)
パネルに出ている出力端子のハンダ付け、きれいに取り外すのはなかなかたいへんでした。
「半固定が悪い」っとわかっていたのなら、基板を取り外さなくても修理は可能です。
どんな回路になっているのか不明だったので、基板部品面を見なくてはと、ゴソゴソしたのです。