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2007年04月13日(金)
「史上最悪のインフルエンザ・忘れられたパンデミック」
「史上最悪のインフルエンザ・忘れられたパンデミック」
アルフレッド・Wクロスビー著 西村秀一訳 みすず書房



20紀初頭、第一次世界大戦の最中に猛威をふるったインフルエンザ、
「スペイン風邪」(この本の中ではスパニッシュ・インフルエンザと
記されています)のお話しです。

「パンデミックとは」

1918年〜1919年、このインフルエンザが全世界に広まりました。
直接の戦禍で死んだ人より、この病気で死んだ人のほうが多いのです。
まだ「ウイルス」とは何かが分かっていない時代です。
電子顕微鏡もありません。

記録がよく残っている米国を中心に話が進みますが、名前になっている
スペインが発祥ではないということです。
また、インフルエンザ=冬の病気と考えがちですが、スペイン風邪は
1918年の初夏から流行が始まっています。

当時の人と荷物の大量輸送交通手段は海運。
あちこちの港で防疫体制がとられますがことごとく失敗します。
それでもオーストラリアはかろうじて防疫に成功、しかしニュージーラン
ドは失敗。
すぐ近くの島なのに、統治が異なっていたため東サモアは防疫に成功するが
西サモアは失敗して多数の死者が出る。
人里離れたアラスカでも失敗、なんてことが書かれています。

また、インフルエンザの原因菌探求が、フレミングが青カビから発見した
ペニシリンにつながっているのです。
当時、インフルエンザの原因ではないかと考えられていた
「ファイファー桿菌」、これに関する培養実験をしていて
「プレートに紛れ込んだカビが菌を殺す」のを偶然見つけたのです。
実験の元はインフルエンザにつながる研究だったのです。
この本ではそんな話も紹介されています。


※人混みに出かけたら、すぐに風邪をもらってきてしまいます。
春先になってから2度ほど風邪ひきしました。
インフルエンザじゃありませんでしたけど。
強毒性インフルエンザ、この本を読んだらほんとに怖くなります。
SFじゃなく、90年前、実際にこの地球で起こった話なのですから。
この手の話、世界史(日本史)や保健では習っていませんよね。
記憶にあるのは「あった」ということぐらい。「名前は聞いたことあるか」くらい。
「地震」「津波」「パンデミック」、人が生きていくのはたいへんです。
「風水」では解決できません。「科学」のチカラなんですけどね〜。

国立感染症研究所のインフルエンザ・パンデミックに関するQ&Aが参考になるかしら。

2007年4月13日 07時15分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| ・本 |
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この流行で私の好きな絵描きが何人も亡くなりました。学校教育ではなく、エゴン・シーレやクリムトの生涯をたどっているときにスペイン風邪という言葉を覚えました。
 出張が多いので、最近は予防接種を受けるようにしていますが、どれほど効果があるのやら。とりあえず、高熱で倒れる頻度は減っています。
2007年04月16日(月) 08:34 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
死亡率の高かった軍隊、軍人にかぎってみても、この流行を生き延びた人が第二次世界大戦を戦ったわけです。
年齢的に、政策や作戦を決める重要な地位につく人が、インフルエンザを生き延びたかどうかによって、史実が変わっていた可能性があるわけです。
インフルエンザが歴史を変えたかもしれないと、記されていました。
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