修理依頼品:ミキサー
青少年指導員仲間からの修理依頼。
マイク・ミキサー。
どこぞのオークションで入手したらしいのだが、ステレオ出力の片chだけしか
出力が出ないという代物。
左右の片側が死んでいる。
出品主と連絡がとれず、「だまされた〜」とのこと。
※「連絡とれた!」とのこと。行き違いがあったようです。
(この事情、詳しいお話をコメントに残してもらえたらと思います)
で、なんとかならないかとガレージにやってきた。
ものはこれ。(ケースはバラした状態)
「PHONIC」の「MM1002」という型式名。
電源は外部のACアダプタ。整流せず交流電源を入力。
基板にはけっこうな数の部品が乗っている。
でも表面実装品じゃないので、何とかなるかと、修理を引き受けた。
使っているアンプはJRCの「NJM4558」。
汎用品なので、ICが壊れていてもなんとかなる。
まず、電源を投入。
電圧は正常。
ただ…追求はしなかったのだが、±電源三端子レギューレータのGNDがマイク・
ジャック外周のGNDにはなっていない。
3.5Vほど直流オフセットがかかっている。
この経路にコンデンサがかんでいるのか、電源オン後に電圧(直流値)が変化する。
レギューレータの0Vと信号GNDを別アースにする何かがあるのだろう。
次に低周波発信器からの信号を入力。
片方のchは正常に動作しているのを確認。
やはり依頼主の言うように片方に出力は出ない。
しかし、出力アンプ周辺を指で触ると死んでいるchからもハム音が出る。
ということは出力段はOKか。
パネルの右下に見えている主ボリュームのところには片側しか信号が来て
いないのが判明。
このスライド・ボリュームへ来ている信号がおかしい。
回路を追うと、反転アンプを使った加算回路が構成されていた。
これで各信号をmixしているのだろう。
さらに追いかけると…パターン目視と導通チェッカーで…発見!
プリントパターンが切れている。
写真の中央、斜めのラインが切断。
顕微鏡で拡大観察すると、これはエッチング不良。
基板組み立て後に付いたキズではない。
この装置、最初からまともに動作していないのではないだろうか。
動作不良品として片chが死んだまま世に出た(ジャンク?廃棄品?)のか。
とりあえず依頼のあった「片chの音が出ない」という修理は完了。
しかし、まだおかしな所があるかもしれない。
試運転してもらうしかない。
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2008年1月19日 11時11分
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クラックの修理は,何回かあります。タッピングテストで,顕著に故障が再現できても,その叩いた場所ではないところ(振幅の腹)にクラックがあったりして,なかなか見つけにくいものです。
なんとか、オシロは使わず、発振器とモニター用低周波アンプ、
それにテスター、導通チェッカーだけで修理が完了しました。
(オシロ、いつでも使えるようにと通電はしてたけど)
反転アンプの場合、マイナス入力が仮想GNDになってしまい、
信号が現れません。
OP-AMP入力端子をオシロで当たっても信号が見えず、チェック
はやりにくいものです。
原因となったパターン切れを顕微鏡で見たときはちょっと感激。
「コイツや!」てな具合。
「初音ミク」を鳴らして動作確認。
工賃は「麒麟端麗生350ml24本」となりました。