顕微鏡の照明装置
「ぱちもん疑惑で揺れるケルのICソケット」を良く観察できるようにと、顕微鏡に付ける照明装置を作りました。
今までは、ブツに卓上蛍光灯を近づけて観察していたのです。
「ケルのICソケット事件」をきっかけにして、顕微鏡の照明をなんとかしようと思い、白色LEDを買ってきました。
顕微鏡の全体像はこんな感じです。
一応、ちゃんと双眼になっています。
ホームセンターで買ってきた塩ビ管の継ぎ手を利用して、白色LEDを20コ並べました。
手を抜いて全部直列です。
アロンアルファで仮止めして配線、その後、エポキシ樹脂を流して固定しています。
顕微鏡の対物部、こんな感じで3段になった同心円のカバーで覆われています。
その最大のところがうまく塩ビ管にはまりました。
はめ込んで4mmの樹脂ビスで軽く固定。
「落射照明」というほどのものではありませんが、なかなか快適です。
(自画自賛モード)
そうそう。落射照明でググルと興味深いものがありました。
http://www.hirox.com/Co_axial_Lighting.html
http://www.hirox.com/library.html
なかなか面白いですよ。
照明コントローラは、AC100Vを整流して脈流のままLEDをドライブします。
絶縁していないのでちょっと怖い。
ですが、いちおう輝度調整できるようにしています。
当初、サイリスタを使った位相角制御で輝度を変えていたのですが、暗い側の制御がシビアです。
なにせ20コ直列にしたLEDを点灯するのに60V以上必要です。
ピークで140Vある交流電源サイクルの70%ほどしか利用できません。
サイリスタの場合、これにトリガーダイオードの電圧が加わるので、利用できる電圧域が狭ってしまうのです。
で、トランジスタによる定電流回路に変えました。
サイリスタに比べると設計の自由度がありますので、最小最大電流の値を比較的楽に選べます。
手持ちの部品で作ったとりあえずの回路はこんなのです。
「脈流でLEDを駆動する回路」
とりあえずこのように作ったのですが、使っているうちに欲が出てきます。
脈流で点灯しているので、電源周波数の120Hzで点滅しています。
カメラでの接写用照明(リング・ライトですな)にも使えるかと思ったのですが、120Hzはいけません。
シャッター速度が早くなると同調しません。
カメラ側CCDの読み取りサイクルも関係するのでしょう、うまくありません。
それに・・・ラジオをLEDに近づけるとスイッチング・ノイズが入ります。
サイリスタほどひどくはありませんが。
やはり直流点灯でしょうか。
現回路でも、整流しているブリッジダイオードの+/-にコンデンサを入れれば直流化できます。
しかし、ちょっと違う方法(現回路は電流制限による定電流方式)を試してみることにしました。
「直流140Vで点灯するLED回路」
試したのは、直流負帰還回路による定電流回路です。
電流設定ボリュームをベースにつないだトランジスタのエミッタに、電流検出抵抗からNFBをかけています。
エミッタ電圧V1は電流設定VRで決まり、V2はR1とR2の比で決まります。
R3に加わるV2が決まれば、LEDに流れる電流が決まります。
ただこれらの回路、発熱する部品がありますので、ちょっと注意が必要です。
さらに付け加えると・・・
LEDの向き、塩ビパイプの円周にほぼ垂直に取り付けました。
ですので、顕微鏡対物レンズ下のステージ(円形の皿:回って動きます)をほぼまんべんなく照らしています。
照らしている場所が広くて視野に余計な光が漏れ入って来るせいなのか、視野のコントラストが悪くなっているような気がするのです。
周囲を真っ暗にすると照明の当り具合がよくわかるでしょう。
今度作る時は、観察する部分の視野、最低倍率で直径35mmくらいの部分にだけ光を当てるよう、LEDを傾けて取り付けて中心に光が集まるようにしてみたいと思います。
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2006年5月27日 11時54分
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