「電信」関連本3冊
電信からみで図書館から借りてきた本3冊。
「電信」っといっても、アマチュア無線ネタじゃなくって、昔々のお話しです。
まずこれ。
田丸直吉著「日本海軍エレクトロニクス秘史」
サブタイトルが「兵(つわもの)どもの夢の跡」
明治から昭和(終戦)にかけての軍用無線の話しです。
日本海海戦の無線電信、真空管の出現、レーダーの開発と話が進みます。
独軍ウルツブルグレーダーも出てきます。
大出力マグネトロンが出来上がったのにレーダーじゃなく別のもの(殺人電波!とは
書いていないけど)に開発方向がそれていくあたり、悔やまれています。
資料として回路図(真空管と呼ばず電球と呼んでいる)や図表が所々に出てきます。
1979年出版の本です。
こちらは新しくって2008年発行。
鎌田幸蔵著「雑録 明治の情報通信」
サブタイトルが「明治を支えた電信ネットワーク」
国内電信網、そして海底ケーブル、日露戦争の無線電信の話です。
図表や写真がありませんので、ちょっともの足りません。
海底ケーブルに関しては、先日の石原藤夫さんのほうが面白い。
3冊目が松田裕之著「ドレスを着た電信士 マ・カイリー」。
この本、訳本じゃなくって1950年代、アメリカの「Railroad Magazine」に連載された
自叙伝を元に当時の「有線電信」を解説しています。
自叙伝のタイトルが『The Bug and I :バグと私』。
この著者の「マ・カイリー:Ma Kiley」はあだ名。女性です。
二十世紀初頭、拡大を続けたアメリカの鉄道網、通信網を支えるために働いていた
「電信士:モールスをあやつる職人:テレグラファー」、それも女性が主人公。
自叙伝のタイトルになった「バグ」、虫じゃないんです。
これ↓
「バグキー」のことなんです。
愛用の「電鍵」を持って、仕事を探してアメリカ中を放浪。
そんなお話し:実話なんですよ。
主人公は1880年生まれ、1900年あたりから電信業務に、そして1942年引退。
没年が1971年。
無線とは違いますが、陸上有線でのモールス、興味深いです。
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2010年1月18日 14時07分
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自伝のタイトルがなんで『The Bug and I :バグと私』なのかという解説に「虫マーク」の話、バグキーと呼ばれた由来が記されていました。
「♪包丁一本、さらしに巻いて〜♪」の歌を地で行くような、電鍵を鞄に入れてアメリカ中を旅するなんて…すごい話なんです。