松崎有理著「あがり」
いつものように図書館で借りてきた本。
松崎有理著「あがり」
「第1回創元SF短篇集受賞」ということでジャンルはSF。
大学研究室の風景が描かれています。
短編集でして、本のタイトルの「あがり」のほか、
「ぼくの手のなかでしずかに」
「代書屋ミクラの幸運」
「不可能もなく裏切りもなく」
「へむ」
全部で5つの作品が入っています。
この中の「代書屋ミクラの幸運」という話にちょっとメモっておこう
という段落がありました。
研究資料を整理して学術論文に仕上げる「代書屋」が主人公。
論文をまとめる最終段階、主人公がこんなことに気を使っているぞと
独白するシーンです。
『つぎの週、ぼくは議論の章を書き上げて推敲に入った。
すべての文に主語があることを確認し、修飾節がつながりす
ぎないよう文をわけ、受身文は能動文に直し、ついついつかっ
てしまうあいまいな表現をすべて断定に変えた。一語一語を
吟味し、不必要であると判断すれば削除した。文単位で、つ
ぎに段落単位で読み返し、多義的にとられるおそれがないか
どうかを点検した。理解できるように、誤解できないように。』
最後の「理解できるように、誤解できないように」というところが
素敵です。
そして、この物語の巻末の参考文献一覧に
木下是雄著「理科系の作文技術」
という本が入っていたのです。
この本、私も買って持っています。
初版が1981年だそうで私が持っているのが2001年改版のもの。
「日本語の作文技術」とともに、たまに書架から引っ張り出してきて
「そうやそうや。こう書くんや」っと納得しながら読み返しています。
※大阪市立図書館、子供たちが夏休みということで
大幅に図書館の休みが少なくなっています。
いつもは月曜休館なんですが、関係なく開館してます。
8月は16日(木)の1日だけが休み。
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2012年7月25日 16時47分
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単純な処理(数値をいじるだけの)じゃなくって、条件が複雑に絡み合った制御。
そう、シーケンサによるメカ制御あたりにもつながります。
あいまいなままでも動くことがあるのでやっかい。
「考えもしなかった動作」や「忘れてた制御条件」、こんなのがプログラムの中に忍び込んできます。