ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
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2012年08月08日(水)
E-520修理完了
オリンパスのサービスに預けていた「E-520」、修理が上がってきました。
代金合計12075円。
(工賃8000円に部品代3500円 +消費税)

故障内容はコレ↓
E-520のモードダイヤルが接触不良
E-520アクセサリシューにひび割れがぁぁぁ

『交換部品返却希望』っと修理伝票に記入してもらったので、故障した
パーツもやってきました。
カメラの上部、まるごと取っ替えです。





複雑です。 こりゃ、故障部分だけの取り換え交換てな作業は無理。
フラッシュも付いたまま。

アクセサリーシューのひび割れ、けっこうひどいものでした。
シューの保持金属板を外してみると、接眼部からずいぶん前の方まで
ヒビが伸びているのがわかります。



そしてこれが「お姉さんが出てくる」モードダイヤルの切り替え機構。
左からモードダイヤル、電源スイッチ、コントロールダイヤルの
電極パターンです。



それの接触子↓

  (上と左右逆)

そして、モードダイヤルの電極拡大↓

ぱっと見、異常は見あたりません。

モードダイヤルの切り替え、「1-2-4-8」とコードを生成しているのか
思っていたのですが、違いました。
価格.comのE-520ボディのクチコミ掲示板 に書いてたのですが、
「Pモード以外」で放置していても「シーンモード」にはならなかった
のです。
Binコードを生成しているようなスイッチだと、接触不良で特定コード
が出てくるなんて現象がおこります。
今回は違いました。
「Pモード」だけがおかしかったのです。
それで、推定はしていたのですが…
モードを切り替えていたのはこの「抵抗」でした。



横に10コならんでいるでしょ。
この数値をテスターで計ってみました。
右から順に。()内は推定できるE12系列抵抗値。
 (1) 677Ω  (680)
 (2) 814Ω  (820)
 (3) 996Ω  (1k)
 (4) 1191Ω  (1.2k)
 (5) 1497Ω  (1.5k)
 (6) 1789kΩ (1.8k)
 (7) 2.19kΩ (2.2k)
 (8) 3.31kΩ (3.3k)
 (9) 4.67kΩ (4.7k)
 (10) 6.78kΩ (6.8k)


そして「Mモード」を基点にして各モードの抵抗値を見ます。
 M   0
 S   677
 A   1.49k
 P   2.50k
 AUTO  9.19k
 顔   12.5k
 山   17.2k
 花   23.9k
 走   7.00k
 夜   5.50k
 シーン 3.69k

抵抗が直列に接続されているのがわかります。
「P」と「シーン」、ダイヤルでは離れていましたが、抵抗数値では
お隣でした。

「P」の2.5kΩは0.68k + 0.82k + 1k。
そして「シーン」の3.69kはPの2.5kに+1.2k。
どうやら、「P」の抵抗値がちょいと高い目に読まれてしまって
「シーン」と間違えられたようです。
  (抵抗値を読むといっても、実際は抵抗で分圧した電圧を測定でしょう)
分圧電圧をA/Dコンバータで読んで、各モードを数値判定するのでしょうが、
その設定値が変動に弱かったようです。



※価格.comでのやりとり
モードダイヤルが接触不良ぽい
アクセサリシュー部にひび割れ





2012年8月8日 15時06分 | 記事へ | コメント(19) | トラックバック(0) |
| ・カメラ |
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大丈夫かなぁ、オリンパス。
「P」と「シーン」の間より「AUTO」と「顔」の間の方が、かなりマージンが小さいです。
この抵抗の選び方はド素人。
とてもプロの仕事には見えません。
2012年08月10日(金) 08:01 by きゅうる村
『交換部品返却希望』
こんなこともできるのですね。
DELLは自分で部品交換しても、旧部品を返却させます。
2012年08月10日(金) 08:25 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
この抵抗分割回路、n接点のうちの一つだけの接触を
判断するというもの。
おそらくA/Dで読んでいるでしょうから、なんで均等割り
(例えば1kの抵抗をズラ〜)にしなかったんかと不思議。
なぜ等比な抵抗にしたのでしょうね。
A/D一発変換じゃないへんなアルゴリズムでモードを
判断てな「昔からの因習」があるのかもしれません。


『交換部品返却希望』の話ですが、サービスに持ち込
んだとき「交換した部品はこちょらで処分してかまわな
いですか?」っと、お姉さまが聞いてきた(やさしく)
ので、『どんなものか興味あるので、不都合がなけれ
ば頂戴できますか』っと答えたんです。
すると、修理依頼書に件の言葉が入ったという次第
です。

2012年08月10日(金) 08:30 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
「…こちょらで…」っと、えらいかわいらしくタイプミスです(笑)。
横レスすみません
等差でなく等比にした理由は電源電圧の分圧比でAiするからです。
例えば今回の例でいうと1Kオームの等差入力だとAiの最大入力値は”10/55*電源電圧”になり電源電圧を充分に生かせませんし、誤入力検知しづらい。
等比入力ならばこの場合”17.2/23.9*電源電圧)で電源電圧の70%近い所から使え、基準入力値に対して”基準値+ー数十パーセント”の十分なマージンをとることができます。
Ai一点で判断させるときはこの方法が一番確実と思っていました。
もしかするともっと良い方法があるかもしれません。
そうであればすみません。
2012年08月11日(土) 11:46 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
このモードダイヤルの現在ポジションを得たいだけですよね。
このカメラでは抵抗をスイッチで切り替えてたわけですが、
そうじゃなく、例えば… 
電源とGNDにつないだボリューム:可変抵抗を考えてください。
そのスライダー位置の電圧をA/Dして求める。

8ビット分解能のA/Dなら0〜255の数値で回転角が出てきます。
これと同じ考えでは具合悪いですか?

等差(Bカーブのボリューム)だとリニアに回転角が出ますが、
等比的なAカーブとかCカーブだと詰まっているところと
(角度に対して数値が大きく飛ぶ)が出てきます。

スライダーがどの位置にあっても角度に対する数値変化が
変わらない均等分割のほうが安定性の面で有利かと。

いかがでしょうか?
2012年08月11日(土) 11:55 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
ひょっとして、ボリュームのスライダー(中点)のようになっているんじゃなく、
スイッチで抵抗列の途中を短絡させて(例えばGNDに落とす)るの?
亀レスすいません。
そうです。スイッチで抵抗列の途中をGNDに落とします。
家電商品ではポート数削減のためによく使います。
最近のマイコンにはAD付いてますからね。

なので、単純に電圧ではなくて、電源に釣っている抵抗との比に比例した
電圧がAD変換に入ります。電源電圧に依存しないのがミソです。
写真の右隅の横向いたヤツの上側がその抵抗だと思います。
この抵抗値はいくらでしょうか?
ひょっとして、10KΩだったり?

公差を考慮すると、ちょうど真ん中あたりのスイッチの
電圧の上限とその次の下限との間隔がマージンとなるわけですが、
この例でいくと、均等ではなく「AUTO」と「顔」の間が狭くなっているのです。

正しく抵抗を選べば、スイッチを横軸として、ADの入力電圧を縦軸にすると
緩やかなS字カーブになり、マージンが均等になります。
ところが、この例では直線的になっているので、真ん中あたりのマージンが
きつくなってしまったと言う訳です。

ま、雑誌などに載っているのを見ると、たいがいこんなんですけどね。
雑誌のコピーとまでは言わないとしても、プロなら選び方が有るってもんです。
店主様
単純にモード数とディスクリート部品の精度保障の問題だと思います。
今のカメラは昔のカメラと違いモード数が桁違いに多い。。
モード数が増えるとモード間の電圧誤差余裕がどんどん減ってしまう。
部品精度を上げるにも限度がある。なんとか確実にモード数が増やせないかという事

表現方法、考え方があっているかどうかはわかりませんが自分の理解では特性がカーブしていると直線に比べ距離が長い分、同じ点数なら隣の点との余裕が取りやすいという事だと思います。
                   ほんとかな?
2012年08月12日(日) 10:24 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
JH3KXMさん、「ブツ」は仕事場に置いてあるんで、電源側抵抗が
それかどうかはすぐに調べられません。
というか、1本でも渡りの接続線を減らしたいのなら、その抵抗は
制御部に置くでしょうなぁ。

そして、3線でいいのならGNDへ短絡する方式じゃなく、
「BカーブVR」方式のほうが、安定していますよね。
スライダーの電圧を受ける所のインピーダンスを高くしておけば
接触抵抗の影響が回避できます。

今回のトラブルは、モードダイヤル切り替え接点の接触抵抗
増大が原因でしょう。
短絡しているものだから、接触抵抗の影響がもろ出ます。

回転ダイヤルでなく、キーボードのような接点で短絡する
構造なら、今回の方式を採用するのは理解できます。
抵抗列の上側の接点が優先されて、同時押しの問題
が解決できます。
でも、このカメラでは回転ダイヤルが使われてます。
回転ダイヤルだと、同時押しは考慮しなくて良く、BカーブVR
方式が使えます。

このあたり、機構設計と絡めて電子回路をどうまとめるか、
信頼性を確保しながら部品点数の少ないシンプルな回路をっと、
悩ましい問題です。
先輩エンジニアが残した過去の実績を踏襲しために
こんな回路になったんじゃないかと推測しています。

2012年08月12日(日) 10:31 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
記事中のモードダイヤルの電極拡大写真、「8時」の位置
がトラブルのあった「P」です。
写真を見ると、なんとなく接点の跡(4つの変色)が残っています。
 (電源スイッチのところはもっと)
ここらあたりが微妙な接触抵抗増大の痕跡かと。

Bカーブの件は分かりますが、その場合は定電流回路が必要です。
昔の楽器のアナログシンセサイザーのキーボードがそうなっています。
1オクターブ1Vの電圧が出ます。

┗ R1 ┻ R2 ┻ R3 ┻ R4 ┻ R5 ┻ R6 ┻ R7 ┻ R8 ┻ R9 ┻ R10 ┫
                            ┣ R11 ┫
のように見えるのでR11が電源に釣っている抵抗のように見えます。

ariiさん、市販の5%抵抗でもちゃんと選べばその精度でも16個くらいまで
判別できます。
店主様
おっしゃるとおり、言われてみれば今まで見たこの形式の回路はキーボードタイプがほとんどでした。
しったかぶりみたいですみません。

ところでBカーブVRを使用した場合、スイッチにクリック感を持たせると各モードの検出電圧が各個体間でばらついて結構難しいと思うのですがどうなんでしょう。機械精度が上がっているから問題無いのかなー
ikkei様
かぶってしまいました。すみません

自分がこの回路図を見たのはAVRかなにかのワンチップでオシロスコープを作る回路だったと思います。
ジャンクな基盤でも結構見る回路だったので回路定数の設定について図面を見ながら色々考えた事があったもので。。
なるほどです。勉強になります。
2012年08月12日(日) 12:11 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
「BカーブVR」を使えというんじゃなく、等差の抵抗切り替えを
スイッチでということです。

定電流回路は必要ありません。
A/DのVrefを電源電圧(片方の抵抗端)にしておけば、電源電圧が
変動してもA/D値は変わりません。

抵抗をGNDに落とす方式の場合、導電ゴム接点を使ってると
経年劣化がきびしい。
「再生」を押したつもりが「録音」になって、「えらいこっちゃ」なんて
経験があります。

2012年08月12日(日) 12:21 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
導電ゴムじゃないメカ接点でもこんなことがありましたんで。

2011年01月27日:電源スイッチ接触不良

BカーブのVRの件了解です。
同じ値の抵抗を並べて、スイッチのコモンをADすれば良いって事ですよね。
確かに、このようにすると接触抵抗が変わっても問題になりにくいですね。

多重押しがあり得ない、ロータリー式ならいけますね。
なぜ。そうしなかったんでしょう?
切り換えの途中で、High-Zになるからかなぁ。
そんなの、高抵抗を付けとけば大丈夫ですよね。

多重押しを考慮すると、先のシンセのキーボードのように、定電流駆動にします。
そうすれば、下側のキーが優先される回路になります。

2012年08月25日(土) 10:45 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
┣ R11 ┫と推測されたチップ部品は、コンデンサでした。
実測値740PF。
2015年07月29日(水) 13:08 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
修理から3年目にして電源スイッチが接触不良でっす。
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