ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
★ZAQのBlogari停止のため、あれこれ「データ吸い出し」対策しています。 新規記事はとりあえず停止。 コメント書き込みはまだ有効です。 (JH3DBO 下間憲行)
2013年12月05日(木)
★電流検出アンプに関するメモ
いわゆるハイサイドの電流検出IC。
これまで常用していたのはリニアテクノロジ
LT6100とLTC6101。
特に性能がいいというわけじゃなく、まぁ馴れ合
いで(笑)。

でも、この二つにはちょいと使いにくい面があるんです。

・LT6100
 アンプの電源電圧より検出端子の電圧が高くないと
 いけない。
 スペック的には「Vcc+1.4V」以上が条件。
 検出端電圧がVccより下がると、出力が不定になっちゃう
 (電流=0でも出力電圧が出てくる)。
 電流を検出する経路の電圧が一定(Vccのほうが低い)
 なら大丈夫なんですが「何がつながるかわからない」
 用途では、検出端電圧を調べてVcc以下になってないか
 のチェックが必要になります。
 Vcc以下だと、測定電流値はあてにならないという
 処理ね。
 端子の接続を変えるとゲインが選択でき、この面では
 便利なんですが、汎用品としてはちょい使い勝手が悪
 いか。

・LTC6101
 これは外付け抵抗2本の抵抗比でゲインが決まるという
 IC。 SOT-23と小さい。
 このIC場合、基本的な使い方は、ICの電源=検出ライン。
 4V〜60Vで使えるんですが、何がつながるかわからない
 用途ではだめ。
 出力電圧の最大が電源電圧に依存するんで、高い電圧
 が出てくるかもしれない。
 内部リミッタで9Vに制限されるけど。
 何を計るか対象の回路がきっちりしていたらどうてこ
 とはないんですが、「何でもつなげる」用途には×。


で、ちょい調べてみました。

まずアナログデバイス

・AD8203
 差動アンプの前に減衰回路を入れた構造。
 単電源で動き、-6V〜+30Vのラインにつなげれる。
 基本、ゲインは固定(14倍)。

・AD8207
 これも差動アンプ構造。
 単電源5V動作だと、-4V〜+65Vのラインにつなげれる。
 データシートでは「EMIフィルタ内蔵」をうたってます。
 ゲインは20倍。
 REF端子のつなぎ方により、±の電流(双方向の電流)
 を読むことができるのが特徴かな。
 単電源ICだと0V出力付近がきちんと0Vまで下がらないの
 で、誤差が発生する。
 このICは、ゼロにオフセットをかませることができる
 ので、ゼロ付近の測定誤差を軽減できるという仕組み。

・AD626
 やはり差動アンプ。
 ±電源で使えるようになっている。
 だもんで、アンプ出力能力による0V付近の誤差は無い。
 入力部で1/6する構造なので±5V電源だとざっと±24Vが
 入力端電圧範囲。


そしてマキシム

・MAX4073
 入力電圧範囲が2V〜28V。
 電源電圧は3〜28Vで、電源電圧より入力が高くなっても
 大丈夫。
 ゲインはIC型番のサフィックスで指定。
   T:×20、F:×50、H:×100 の3種類。

・MAX4173
 MAX4073の改良版。
 測定端入力電圧が2V以下になっても、とりあえず計れる
 というふうに。
   ※精度保証は2V〜28V。

・MAX4372
 これも入力電圧範囲が0Vまで拡大。
 出力がOP-AMPになっているので出力インピーダンスが
 低い。。
 4073と4173はカレントミラーの抵抗端出力で、12kΩと
 出力インピーダンスが高いので注意。

・MAX4376
 入力電圧範囲は0V〜28V。
 4377が2素子入り、4378が4素子入り。
 OP-AMP出力。


こうしてみると、マキシムのが使いやすそうな。
ただ、単電源動作なんで0V出力付近=電流0Aでは
誤差が生じちゃいます。
それがいやだとアナデバの差動アンプ型式のに
(リファレンスにオフセットを持たせて積極的
に±入力で使うか両電源で)なってしまいますか
な。


※関連
2013年07月20日:単電源OP-AMPの0V入力付近の挙動を調べる
居酒屋ガレージ:自作ツールあれこれ
居酒屋ガレージ:トラブル遭遇記録




2013年12月5日 09時48分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| ・電子回路工作 |
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