★電流検出アンプに関するメモ
いわゆるハイサイドの電流検出IC。
これまで常用していたのはリニアテクノロジの
LT6100とLTC6101。
特に性能がいいというわけじゃなく、まぁ馴れ合
いで(笑)。
でも、この二つにはちょいと使いにくい面があるんです。
・LT6100
アンプの電源電圧より検出端子の電圧が高くないと
いけない。
スペック的には「Vcc+1.4V」以上が条件。
検出端電圧がVccより下がると、出力が不定になっちゃう
(電流=0でも出力電圧が出てくる)。
電流を検出する経路の電圧が一定(Vccのほうが低い)
なら大丈夫なんですが「何がつながるかわからない」
用途では、検出端電圧を調べてVcc以下になってないか
のチェックが必要になります。
Vcc以下だと、測定電流値はあてにならないという
処理ね。
端子の接続を変えるとゲインが選択でき、この面では
便利なんですが、汎用品としてはちょい使い勝手が悪
いか。
・LTC6101
これは外付け抵抗2本の抵抗比でゲインが決まるという
IC。 SOT-23と小さい。
このIC場合、基本的な使い方は、ICの電源=検出ライン。
4V〜60Vで使えるんですが、何がつながるかわからない
用途ではだめ。
出力電圧の最大が電源電圧に依存するんで、高い電圧
が出てくるかもしれない。
内部リミッタで9Vに制限されるけど。
何を計るか対象の回路がきっちりしていたらどうてこ
とはないんですが、「何でもつなげる」用途には×。
で、ちょい調べてみました。
まずアナログデバイス。
・AD8203
差動アンプの前に減衰回路を入れた構造。
単電源で動き、-6V〜+30Vのラインにつなげれる。
基本、ゲインは固定(14倍)。
・AD8207
これも差動アンプ構造。
単電源5V動作だと、-4V〜+65Vのラインにつなげれる。
データシートでは「EMIフィルタ内蔵」をうたってます。
ゲインは20倍。
REF端子のつなぎ方により、±の電流(双方向の電流)
を読むことができるのが特徴かな。
単電源ICだと0V出力付近がきちんと0Vまで下がらないの
で、誤差が発生する。
このICは、ゼロにオフセットをかませることができる
ので、ゼロ付近の測定誤差を軽減できるという仕組み。
・AD626
やはり差動アンプ。
±電源で使えるようになっている。
だもんで、アンプ出力能力による0V付近の誤差は無い。
入力部で1/6する構造なので±5V電源だとざっと±24Vが
入力端電圧範囲。
そしてマキシム。
・MAX4073
入力電圧範囲が2V〜28V。
電源電圧は3〜28Vで、電源電圧より入力が高くなっても
大丈夫。
ゲインはIC型番のサフィックスで指定。
T:×20、F:×50、H:×100 の3種類。
・MAX4173
MAX4073の改良版。
測定端入力電圧が2V以下になっても、とりあえず計れる
というふうに。
※精度保証は2V〜28V。
・MAX4372
これも入力電圧範囲が0Vまで拡大。
出力がOP-AMPになっているので出力インピーダンスが
低い。。
4073と4173はカレントミラーの抵抗端出力で、12kΩと
出力インピーダンスが高いので注意。
・MAX4376
入力電圧範囲は0V〜28V。
4377が2素子入り、4378が4素子入り。
OP-AMP出力。
こうしてみると、マキシムのが使いやすそうな。
ただ、単電源動作なんで0V出力付近=電流0Aでは
誤差が生じちゃいます。
それがいやだとアナデバの差動アンプ型式のに
(リファレンスにオフセットを持たせて積極的
に±入力で使うか両電源で)なってしまいますか
な。
※関連
・2013年07月20日:単電源OP-AMPの0V入力付近の挙動を調べる
・居酒屋ガレージ:自作ツールあれこれ
・居酒屋ガレージ:トラブル遭遇記録
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2013年12月5日 09時48分
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・電子回路工作 |
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