ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
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2014年07月03日(木)
高速2相パルス発生回路解説
高速2相パルス発生回路の動作解説をば。

●製作にあたっての要求仕様

 ・スイッチを押すたびに設定した数の2相パルスを出力。
 ・発生パルス数の設定はデジタルスイッチで変えられるように。 
 ・パルス数の最大は16ビット値(65535)を越えるように。
 ・パルスのクロック周波数は任意可変できるようにする。
 ・安定したクロック源(水晶発振)と切り替えできるように。
 ・出力はTTLレベル。
 ・正転、逆転は外部でA/B相を逆接して対処。
 ・とりあえず実験に使うだけだから箱に入れなくてよい。
 ・電源は外付けでよい。

●旧ツール

 74LS168(BCDシンクロナスU/Dカウンタ)を使った
同等のものをこしらえてあった。

・回路図  (クリックで拡大↓)


 カウンタは4個だがBCDなので最大パルス数は「9999」。
もう1個ICがあれば桁を増やせるのだが、手元にこのICは
4個だけ。
そして… 今はもう入手できない

で、カウンタを74LS161(シンクロナス・バイナリ・カウンタ)
にして16進5桁のものを製作した。

●74LS168はダウンカウントで計数

 74LS168を使ったパルス発生器はダウンカウントで計数し、
3,2,1,0とゼロになったタイミングで出るキャリー(ボロー)
信号でカウント指令フリップ・フロップをリセットして
計数を停止。
カウンタのプリセット・データはBCDコードで設定。
0なら4ビットともLに。
9なら「1001」という設定にしなければならない。

 通常のデジタル・スイッチは、0で4つの接点がオフになる。
(リアルコード仕様)
LS-TTLの入力はプルアップして使うので、リアルコードだと
全オフで「1111」になってしまう。
0を「0000」とするためには「コンプリメンタリ・コード」の
スイッチを使う必要がある。

 ※コンプリメンタリ・コード:0で全オン。
 ※C-MOS入力ならプルダウンという方法が使えるので
  リアルコード・DSWを使うことができる。

●動作タイミング

・「START」スイッチのチャタリングをC1で取り除いたあと、
 シュミット入力のインバータを通す。(A)
・スイッチのオン・エッジで「U4A」FFのQ出力がHに。(B)
・クロックで同期して「U4B」FFのQ出力がHに。(C)
・カウンタのLOAD信号(G)がHになり、カウンタが計数開始。
 (G)がLの間はデジタルスイッチの設定値がロードされている。
・設定したパルスを数え終わる、最上位桁のカウンタから
 キャリーパルス(E)が出る。
・(E)と(C)を負論理のORで、(G)がLレベルになりカウンタを停止。
・クロック同期した(F)でFF・U4AとU4Bをリセットして、待機
 状態に戻す。
・FF・U3AとU3Bで2相パルスを生成。
 逆位相のクロックでトグルさせる。

●74LS161を使った回路ではアップカウントで

 バイナリ・カウンタでアップカウントするので「0」を
検出して停止する方法は使えない。
最終段のカウンタからキャリーが出るのは全桁が「F」に
なったとき。

設定方法を16ビット値で説明すると…

     16bit  欲しい
     max値  パルス

     65535 - 10000 = 55535 = D8EF 16進)

     D   8   E   F (16進)
    1101 1000 1110 1111
        ↓       ビット反転
    0010 0111 0001 0000
     2   7   1   0  = 10000 (10進)

つまり、パルス数は1の補数で設定すればよい。
16進のリアル・コードDSWで、欲しいパルス数を16進で設定
することで、アップカウントしてのキャリー出力までの数が
設定される。
「00002」とすれば、カウンタのロード値は「FFFFD」となる
ので、最終桁がD、E、Fと進み、Fでキャリーが出て停止する。
クロックを逆相でゲートすれば所定のパルス数が得られる。


●いろんなカウンタIC

・BCD(10進)カウンタ(非同期)
  90    昔からある。電源ピン位置が特殊。
 290    90の電源ピンを14・7ピンに移したもの。
 390    1パッケージに2コ入っている。1/100できる。

・BCD(10進)カウンタ(同期)
 160    UPカウント。 非同期クリア。  同期ロード。
 162    UPカウント。  同期クリア。  同期ロード。
 168    U/Dカウント。 同期ロード。
 190    U/Dカウント。非同期ロード。
 192    U/Dカウント。クロック独立。
        非同期クリア。非同期ロード。

・バイナリカウンタ(非同期)
  93    昔からある。電源ピン位置が特殊。
 293    93の電源ピンを14・7ピンに移したもの。
 393    1パッケージに2コ入っている。
4020    14ステージ。 1/16384
4024     7ステージ。 1/128
4040    12ステージ。 1/4096
4060    14ステージ。 1/16384 発振回路入り。

・バイナリカウンタ(同期)
 161    UPカウント。 非同期クリア。  同期ロード。
 163    UPカウント。  同期クリア。  同期ロード。
 169    U/Dカウント。 同期ロード。
 191    U/Dカウント。非同期ロード。
 193    U/Dカウント。クロック独立。
        非同期クリア。非同期ロード。
 590    8bit。 出力レジスタ付き。
        非同期クリア。 非同期ロード。
 592    8bit。 入力レジスタ付き。
        非同期クリア。 非同期ロード。
 593    8bit。 入出力レジスタ付き。
        非同期クリア。非同期ロード。

この中で、168や169、593がアウト。 TTLもC-MOSも入手不可。
190がプレミヤ付いている?



2014年7月3日 16時57分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2014年07月04日(金) 12:01 by kitamuramasa
4ビットのU/Dカウンタというと
4029Bもあったなあと思ったら(CMOSだけど)

こいつもディスコンみたいでした(^^;
2014年07月04日(金) 18:05 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
kitamuramasaさん、「4029」を忘れてましたね。
昔々、「エレクトロニクスライフ」に投稿した「簡易型停電試験装置」で
このICを使ってました。
100V電源のパルスを数えて停電タイミングを作ります。
電源波形の「1山抜け〜999山抜け」を試験できます。
回路図を発掘してみます。
これは、現用の実験用治具です。

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