修理:温度コントローラ
静岡からの修理依頼品。
サーミスタを使った温度コントローラです。
設定温度まで温度上昇用リレー出力をオン。
温度上昇後はヒステリシスを持たせて、出力をオン・オフ制御という仕掛け。
右端に見えるボリュームで目標温度を設定するんですが、その温度
確認に表示器下のボタンスイッチを押すわけです。
すると目標温度が表示されるのです。
ところがこのスイッチがダメになってしまい、設定値が読めないという
故障です。
修理依頼人からのお話…
・業者に頼んだら、修理できないので新しいのを買えと
言われる。 (よくあるパターン)
・修理業者をネットで探して見積してもらったら、エラい
高い値が出てきたと… (見積書を見せてもらいましたよ)
で、私とこにやってきたという次第です。
さっそく解体。
原因は基板から直立するこのスイッチ。
単純に接触不良です。
基板から外してメーカーを調べると「アルプス」。
今のネットで公開されているカタログには出ていません。
昔のカタログ(岡本無線の総合カタログ:平成4年版:20世紀だ)を
めくると形状の写真が出ていました。
「SKEL」シリーズで導電ゴムを使った接点のスイッチです。
どんなふうにダメなのか、スイッチを解体したところ↓
右側の「丸」の中央が導電ゴム。
これでスイッチ底部の接点を押すわけです。
普通だとゴムに導通があるんですが、テスターを抵抗レンジに
して計っても、触れるだけでは反応無し。
テスター棒の先をギューと押し付けてやっとキロオーム代。
ゴムの劣化なんでしょう。
接点に汚れも付着しています。
※奥まったところの撮影はこれ↓
・リコーCaplio GX100用リングライト
さて、困ったのがこれの復旧。
足2本で背の高いスイッチって見当たりません。
パネルには四角の穴が開いています。
丸穴をパネルの別の場所に開けて、ネジ止め式の押しボタンスイッチを
取り付けてもよかったんですが、フジソクの「TM1-01」という枠付き
タクトスイッチをパネル裏から接着して取り付けることにしました。
接着剤は2液ボンド:アラルダイトです。
ここからリード線を延ばして不良スイッチを抜いた基板につなぎます。
復旧したパネル面はこんなこんな具合になります。
あと、基板に乗ったいくつかの電解コンデンサを新品に交換して修理完了。
電解コンデンサ、液漏れしていたというわけじゃなく、ずいぶん古い装置
なんで予防的処置ということです。
※さまざまな電子機器の修理依頼について (有)アクト電子
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2014年11月7日 09時35分
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・電子回路工作 |
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