導通チェッカーの検出抵抗値、1Ωを目指す
仕事場でキット頒布しているマイコン型導通チェッカー、
この基板を作ったのが2008年です。
キットの頒布依頼が今も来ますんで、多くの方に使っていた
だいているようです。
※私自身、これがないと仕事ができないよぉ…
というくらいの常用ツールです。
で、これの機能への要望で多いのが、
「検出抵抗値をもっと小さくできないか」というものです。
現仕様では
「50Ωくらいから断続報知」
「10Ωくらいになると連続報知」
というものです。
上の記事に、いくつかの対応策をお示ししました。
今回、この中の(2)について、ちょいといいデバイスが
入りましたので試してみました。
導通チェッカーの回路図をごらんください。
IC3:NJU7001を使って10倍増幅する回路を入れ込んである
のですが「安定性に欠ける」ということで、キットには
部品を入れていません。
「回路の特性を理解できる人は試してみて」というスタンス
を続けています。
その理由のひとつに、OP-AMPのオフセット電圧がありますす。
NJU7001は外付けボリュームでオフセット調整はできるのですが
単電源ですので、ゼロ点がはっきりしません。
±電源ならゼロはゼロとしてテスターで読む電圧値として
はっきり分かるわけですが、この回路は単電源です。
プラスからゼロに向かって調整はできるのですが、ゼロを
通り越してしまったかどうかが分からないのです。
この調整具合を理解していただかないと、安定な運用は
望めません。
また、電源電圧(電池のへたり具合)によってもオフセット
電圧が変化して安定性に不安を感じます。
※例 オフセット電圧が1mVのアンプで直流10倍増幅すると
入力が0Vでも出力は10mVが出てしまう。
NJU7001のスペックではオフセット電圧10mV(max)。
この導通チェッカーでは、マイコンのA/Dコンバータ分解
能、1ビットあたりおよそ1mVとなっていて、それで10Ω
の報知を検出しています。
1Ωの検出を目指そうとすると、0.1mVの電圧を見なければ
ならないのです。
何かいいデバイスはないかと思案していたんですが、
「マイクロチップ」から低電圧で動作する「Auto-Zeroed OP-AMP」が
出ていることに気がつきました。
アンプのオフセットを自分でゼロにする回路がチップの中に
仕込まれています。
普通のアンプだと、増幅度を上げるとオフセット電圧も増幅され
てしまいますが、この手のアンプだとそれが押さえられます。
これまでにも同様のチップは有ったのですが、動作電圧が
「2.7V」からとなっていて、乾電池2本では使えません。
型番はMCP6V01。
入手しましたんで、さっそく私の常用ツールとして使っている
導通チェッカーに入れてみました。
もともとNJU7001の回路を仕込んでいて、1Ω検出仕様には
していたのです。
まずはこのIC↓を外す作業から。
ところが、問題発生。
NJU7001もMCP6V01も8ピンのSOPなんですが、ちとサイズが
異なります。
上図の「E」と「E1」が違うのです。
NJU7001は6.8mmと5.00mm。
MCP6V01は6.0mmと3.9mm。
基板のパターンはNJU7001に合わせて(DIPも入るようにして)
作ってあります。
「あちゃ〜」っと思いながらICをパターンに乗せてみましたら、
なんとか大丈夫でした。
細工せず、そのままハンダできます。
R7とR8でおよそ10倍のゲインをかせいでいますが、安定していますね。
これなら大丈夫です。
1Ωの検出を目指せます。
ということで、導通チェッカーキットの内容を変えようかと
思案中です。
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2015年6月25日 14時29分
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