修理:モルテンのデジタイマーTOP60
三重県の中学校からの修理依頼品。
バレーボールとかバスケットボールで使うんでしょうなぁ。
「メーカーが修理対応してくれない」ということで、
こちらにやってきました。
それも2台。
どちらも電源が入らないという症状。
↓操作パネル (修理後の写真)
![](../img/img_box/img20151015171735554.jpg)
こんな具合に、時間(分:秒)と得点が出ます。
![](../img/img_box/img20151015171654222.jpg)
(表示にいろんなモードがあります)
10分桁が右側の3桁に比べて明るいのは、赤色LEDの劣化
でしょうか。 (これに関しては修理せず)
さて、両方とも同じ型番なので同回路だと思ってバラし
たら違っていました。
筐体に記されていた装置の導入年、一つが平成8年で
もう片方が9年。
1年の差があります。
主として電源回りが違っていました。
そして、どちらの故障原因も電源回路だったのです。
古いほうの電源はトランスを使っていました。
これの主故障原因はこのコネクタ。
![](../img/img_box/img20151015172828446.jpg)
こんな具合にハンダのクラック。
![](../img/img_box/img20151015172911004.jpg)
トランス2次側と接続するコネクタです。
電源基板の乗ったコンデンサなど大物部品のハンダにも
クラックが見られました。
もう一つの装置の主故障原因はこれ。
![](../img/img_box/img20151015173131247.jpg)
スイッチング電源回路の一次側平滑コンデンサです。
これがこんな具合にハンダが浮いちゃっていました。
![](../img/img_box/img20151015173213791.jpg)
コレのせいでしょう、パワーMOS FETが短絡モードで
破損。
ゲート保護のツェナーダイオードも飛んでました。
短絡したもんだから、ガラス管ヒューズが溶断してました。
この他にも、両機とも表示基板がこんな状態になっていました。
![](../img/img_box/img20151015173437433.jpg)
セグメントの電流制限抵抗。
発熱するので酸金パワー抵抗が使われているのですが、
密集していたせいで熱がこもるのでしょう、基板が変色
しています。
そして、加熱サイクルのせいか、ハンダ付けも怪しく
なっていました。
![](../img/img_box/img20151015173448795.jpg)
怪しそうな場所はハンダ付けをやり直しておきました。
古い装置ですんで、使われていたハンダは鉛フリー品
じゃありません。
コネクタ部など、チカラがかかる場所じゃありません。
装置を運搬するときにひっくり返したりとかして、
乱暴に扱われたのがクラック発生の原因かな。
片面基板ということもあるんでしょうけど、
単純にハンダ付けの品質(量が不足)だったのか…
とりあえず、修理完了です。
※タイマーモードで試運転していたら、
タイムアップでむちゃ大きい音で「ビ〜」。
2台をほぼ同時に動かしていたんで、ちょいとの
時間差で報知が行われたもんで、よけいにびっくり。
こんな報知機能があるとは知らなかったので、一瞬、
何が起こったのかわからないくらいに驚きました。
★さまざまな電子機器の修理依頼について:(有)アクト電子
|
2015年10月15日 17時14分
|
記事へ |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
|
・修理 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/igarage/trackback/4257/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません