ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
★ZAQのBlogari停止のため、あれこれ「データ吸い出し」対策しています。 新規記事はとりあえず停止。 コメント書き込みはまだ有効です。 (JH3DBO 下間憲行)
2006年06月23日(金)
機械メーカーが言う修理不能品を復活
得意先から緊急呼び出しがありまして
「知り合いの工場が困っている・・・助けて。
 NC装置の画面表示が出なくなってしまった。
 メーカーに修理を依頼したら部品無しで修理できないらしい。
 なんとかして〜」
ということで、雨の中、夕刻に出動。

現場の担当者に症状を聞きますと、
「最近になって画面がだんだん薄くなってきて、とうとう見えなくなってしまった。
周囲を真っ暗にするとなんとか字が読める。」
というのです。
NC装置そのものは働いているようで、テレビ表示器(CRT)
の問題かと推測して、工具にテスター、オシロを持っていきました。

このNC機が制御しているのは大がかりな装置です。
長尺ものの穴あけ機で、ドリル軸が5つ。
機械系の制御には問題がありません。

さっそく見せてもらうと、この機械が設置されたのは1989年。
17年前です。
さて、電話でお話のようにCRT画面は真っ暗。
手をかざして照明を遮ると、かろうじて字の痕跡が見えます。
17年間、フルに使ったのでしょう、常時表示される文字(メニュー)
部分の蛍光体が焼き付いています。
表示はアンバー(橙)色のモノクロ。なつかしいです。

CRT部分をさわれるように、制御ボックスから取り外すのに往生しました。
なにせ金属加工している現場です。
回りに切り粉がいっぱいで、掃除から始めなければなりません。
なんとかひっぱりだして、装置の中をさわれるようにして再起動。
CRTモニターの基板をよく見ますと「SUB BLIGHT」の半固定抵抗のつまみを発見。
担当者に
「これを回すと明るくなるかも・・・
 ダメならすぐには対策できない。」
とおしゃべりしながら、おもむろに時計回りに90度回転。
「おっ! 直りましたね!」っと担当者から喜びの声が!
画面に字が出ました。
もう少し回すと画面のバック全体が光り出しますので、輝度にはまだ余裕があります。

ということで、今回の緊急呼び出しは半固定抵抗を回しただけで解決。
いちおう、オシロで制御回路から出ている信号を確認しておきましたら
垂直60Hz、水平64μ秒の複合ビデオ信号です。
これなら、CRTが壊れても「テレビ」を持ってくれば映すことができます。

ブラウン管がへたってきたのが理由なのか、回路の素子がへたってきて輝度が低下したのか不明です。
このあたりはJA3ATJさんの専門。

まぁ情けないのはメーカーかな。
きっと、工具商社がユーザとメーカーの中を取り次いでいるのでしょう
けれどね。
すぐに入れ替えできるような安い機械じゃないのですから、
現物を見てちゃんと判断してもらいたいものです。
なんでもかんでも「部品無しで修理不能」では、もったいないゾ!


※なんぎさんからメッセージを頂戴しましたので、「たなかじゅん ナッちゃん」でググルと・・・
おっ、いっぱい出てきました。
この本、読んだことがありません。
毎週定期購読はモーニング、イブニング、スピリッツ。(入手は1日遅れ120円の古本屋で)
毎月はアフターヌーン(200〜250円)
今度、本屋(古)で探してみます。
いろんな業種の工場、あちこちいってもほんとに面白いです。

※たなかじゅんさんのブログですね↓
http://blogs.yahoo.co.jp/anibondad

2006年6月23日 07時15分 | 記事へ | コメント(11) | トラックバック(0) |
| ・電子回路工作 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/igarage/trackback/435/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません
半分、手前味噌な感じになって恐縮なのですが、大学の同期で漫画家をしている「たなかじゅん」が描いている「ナッちゃん」。

鉄工所が舞台なのですが、今回の居酒屋ガレージさんと同じように他人の作った機械や装置などを機能回復するエピソードが多くあります。
そこで描かれているのも、大手商社や大手企業になるほど、現在使用している装置を破棄して新しい物を入れようとしたり、修理不能の烙印を簡単に押したりする事が多いのです。

経済の原則で仕方の無い事・・で済ませられるより物を大切に使い続け、「もったいない」と思う方が大事ですよね。これってケチとは違うんですよねぇ。
ものは大事につかわなくっちゃね。 ボクのとこにも先週、『気に入ってるので、このアンプがどうしても直したい』と修理依頼がきました。 昔の回路を見てると先人の知恵を知ることもできますし、勉強になるので、時間の許す限り引き受けています。

ところで、先のアンプでわからんことがあるんですけど、定電圧回路で電圧をつくるのにやたらとLED(ほんとに光るやつ)が使われています。 LEDのVFの安定度なんてあてになるもんじゃないとおもうのですが、あえてLEDを使ってるとしたら、何か理由があるような気がして、とても気になります。


ダメだと思われたモニタがあっさり(?)と直って修理代は幾らになったのやら・・・・いけない妄想がむらむらと・・・・。

「蓋開けて、ボリュームをちょいといじっただけなんだからこれくらいでいいでしょう」なんてね。
リファレンス電圧回路で、LEDではなくてダイオードを使う場合は見たことがあります。
複数のダイオードが直列に並ぶので不思議に思った記憶があります。

記憶があやふやで定かではないのですが、温度保障をする為だったと教えてもらった・・・・・と思うけど違ったかもしれません。
 LEDのVFが利用できると知ったとき、使ってみたいと思う気持ちはわからんでも無いです。
(実は使ったことあります)
 昔なにかの雑誌で、TRやFETの逆接続時の特性を題材にしているのを読みました。
 K30などは逆にでも使えるというので、やってみたことはあります。
は〜い。
この場合の修理代金、思えば微妙ですよね。
「ボリュームをちょいといじって修理完」ですから。
でも・・・そこは日頃のおつきあい。
「日当」だけはきちんと頂戴いたします。

「これぐらいでいいんでしょう」と言うようなお客様とおつきあいするのは・・・ちょっとねぇ。
「助かりました!」「ありがとう」っと言っていただいております。
結局、その装置が日にどれだけかせぐかかな。
装置が止まってどれだけ損失するか、それを救ったのですから・・・と。
趣味の装置ではこうはいきませんよね。
LEDのVF特性ですが、そこそこじゃないかしら。
明確に規定されていないのと、電流によって変わるのと。
ツェナーがわりにはなりそうです。

ツェナーでも電流が変わればけっこう電圧が変化します。
初心者向けの定電圧回路で使われるツェナー、安定性を信じてはいけません。
温度特性もそれほどでもないし。
条件によってはLEDといい勝負かもしれません。

よく出てくるTL431は負荷容量ですぐ発振するし。
手軽に使うのはLM385かLM336。
もっと特性の良い基準電圧ICは高価です。
そうそう。
2SK30ですが、
http://www.oct.zaq.ne.jp/i-garage/tool/WLSMIC.htm
の回路例、モールス練習用正弦波発振回路
http://www.oct.zaq.ne.jp/i-garage/tool/wirlsmic/Win_brg2.png
で、S-Dを逆接したらまともな波形が出なかったとレポートをもらっています。
この回路図を紹介した当初、2SK30の足に「S・D」を記入していなかったのです。
定電圧源にLED、どこかトランジスタ技術で見た覚えがあると思っていたのですが、オペアンプをディスクリートで組むという内容で、「定本 トランジスタ回路の設計」に4549(モデルはμPC4570)というオペアンプを作る際に、電圧源にLEDを使っております。

たしか、電圧源として雑音が低いのと、動作が点灯する事でわかるので使用していたはずです。

ここ数日、どこで見たのか思い出せず悶々としておりました。ハイ。
CRT は,橙色ということですから。オシロではなく,モニタ管ですね。ずいぶん長く使っていただいたので,もう設計者が考えていた寿命をはるかに超えています。

多少のエミ減は,スクリーングリッドの電圧(Vg2)でカバーできますが,帰線消去をしきれなくなって右下から左上方向に帰線が見えだしたら,もうどうしようもないでしょう。画像だと,白黒反転でネガのように見えることもあります。また,一般にフォーカスもボケてきます。フォーカス電圧(Vfoc) でいくぶんか改善することがあります。

今回の現象は,やはり エミ減 の可能性が高いですが,もしかしたら,Vg2 電源回路の常数の変化,半固定可変抵抗器の接触抵抗増加 などもあったかも知れないですね。



JA3ATJさん、解説ありがとうございます。
このCRTモニター、コンピュータの表示回路から単純な単色で階調なしの信号が出ていました。
輝度を上げた後も、フォーカスは大丈夫なようでしたので触っていません。
CRTモニター回路(テレビの回路)にある「SUB BLIGHT」半固定抵抗って、どこを触っているのでしょうね。
どこかに参考となるような回路図があったかな。

修理したこのNC装置と同一メーカで、ほぼ同じものが別の製造ラインで使われているそうで(修理に行った当日はこちらの機械は見ていない)、こちらのモニターは、暖かくなってくると「画面が流れる」そうで、これについても「なんとかなりますか?」と相談を受けたのです。

CRT回路基板を見て、「輝度の調整はここを触る」っと説明したあと、垂直方向に流れるなら「V HOLD」と記されたここ、斜めに流れるなら「H HOLD」を触ってみてっと、実際に同期ズレを体験してもらって調整方法を担当者に伝授しておきました。
金属のネジ回しではあぶないので、長めの菜箸の先を「マイナス」に削ってやってみてと言っておきました。

そういや普通のテレビ(家で見る)の同期ズレって、ありませんよね。
VとHの同期調整つまみ、いつごろからなくなったのでしょう。
2016年02月05日(金) 09:21 by 居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)
コメントを記入  
お名前(必須)
 
パスワード:
 
メール:
 
URL:
 
非公開:  クッキーに保存: 
※非公開にチェックを入れると、管理者のみにコメントが届きます。
ブログの画面には表示されません。
captcha


※画像に表示されている文字を入力してください(半角・大文字/小文字の区別なし)。
文字が読みづらい場合はこちらをクリックしてください。
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク