トライアックのトリガー電流・時間
トライアックを使ったDCモータの速度制御回路での
トラブルです。
過去記事の壮絶死…かわいそうな部品で、吹っ飛んだ
トライアックが出てくるでしょう。
それ、これ関連の修理なんです。
そのトライアックに関して、こんなトラブルに遭遇しました。
修理する回路のパワー段の概要はこんな具合です。
(これにサージ吸収回路やノイズ対策部品、もろもろ
が付きます)
(クリックで拡大↑)
AC100Vの周波数でPWM制御しています。
なにせ古い回路です。
トリガーパルスの発生は「PUT」。
パルストランスでサイリスタのゲートを駆動します。
PUTですので、トリガの発生は短いパルス「一発」だけ。
トライアックは、制御対象により、小さいモータだったら
3Aクラス。
大きい用だと12Aクラスのを使っています。
しかし、基本の回路はほぼ同じです。
最近は、昔の型番のトライアックが入手しづらく、
NECも東芝もアウトです。
NECだとAC3DとかAC12D
東芝はSM3GZ47とかSM12JZ47
で、先日のこと3Aクラス用の修理にと、
ルネサスのBCR5LM-12LB|というのを
交換用に買っていたのです。
今回の修理作業で、これを使いました。
ところが、モータがうまく回りません。
「しゃくる」のです。
最初は原因不明で、フィードバック系を追いかけて
いました。
しかし、原因はトライアックでした。
今までのに戻すと問題なし。
そして同じルネサスの16Aクラス品BCR16PM-14では
大丈夫。
スペック、みんな似たり寄ったりなんですが、
BCR5LM-12だけ不調なのです。
どうやらトリガー電流あるいはトリガー時間が
不足しているようです。
PUTによる単発のトリガーですので、一度ミスると
トリガーは抜けてモータは通電しません。
そうすると、速度制御フィードバック系が
「もっと早くしろ」と、トリガ点を前:AC100Vの
山の部分に持ってきます。
ある時、トリガに成功すると、モータが通常より
高速で回転してしまって「しゃくる」動作になっ
てしまうのです。
BCR5というトライアックのスペック、他のと大き
な違いはありません。
ちょい不思議。
現状のPUTによるトリガー回路では、自由にトリガー
時間を変えられません。
任意のトリガー電流とトリガー時間を設定できる実験回
路を作って試してみればいいんですが、まぁ、めったに
来ない修理です。
次回の修理では、3AクラスのBCR3というのを試してみます。
★さまざまな電子機器、電子回路の修理依頼について:アクト電子
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2016年5月7日 16時38分
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