ニックネーム: 居酒屋ガレージ店主
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2013年03月08日(金)
たまにはブレッドボード
「はじめてのブレッドボード」の記事が2010年01月15日。
買ったけどほとんど使ってません。
たまにはということで、ちょっとした実験です。

先日買って解体した百均スピーカー、これを使った工作を
しようとしたのです。

昔々…
   『2石の発振回路を組んで、スピーカーをブザーにという
    ことをしたなぁ。』
   『たしか電池1本で鳴ったなぁ』
   『モールス練習機を作ったぞっ』
てなことを思い出しました。
電池1本というのがみそ。

こんな回路です。
  (クリックで拡大↓)


(A)はPNP入力にしてGNDにつなげばプ〜。
(B)はNPN入力で電源につなげばプ〜。

で、記憶を頼りながら、ブレッドボードを使ってごそごそ
と確認のために回路を組んでみたのです。

ところが… 音が小さいんです。
こんなもんだったのかなぁ?
っと、昔の記憶は曖昧です。


   ↑
  あれこれ思案中。
  手前の丸いのはスピーカー。

「なぜ?」っと、波形を見てみることにしました。

その前に、安定して波形を見れるように回路を手直し。
  (クリックで拡大↓)


オシロのch1は外部の発振器。
これでブザーをオン・オフします。

ch2は頭のPNPトランジスタのベース。
GND方向に引っぱられるとスピーカーにつながったNPN
トランジスタがオンします。

ch3はその駆動の様子。オンするとHレベルが現れます。

ch4がスピーカを駆動しているNPNトランジスタの
コレクタ。 Lでスピーカーに電流が流れます。
スパイクを除くためスピーカにはダイオードを入れて
あります。
  (P-P値の大きなスパイク現れオシロ波形が汚くなるんで)

R2とR5は、オフ時に各トランジシタのベースを安定させるための
抵抗です。

で、先に結論。
半固定抵抗のシンボルで記したR3、これで音量が変化したのです。

まず、「R3=0Ω」。 (回路図(A)とほぼ同じ)
  (クリックで拡大↓)


短いパルスしか出ていないんで、音が小さい。
これじゃあブザーとは言えません。

「R3=100Ω」に。


ちょっと音が大きくなります。

「R3=220Ω」に。


「R3=330Ω」に。


だいぶ大きくなりました。

欲張って「470Ω」に。


デューティほぼ50%。
けっこう大きくなります。
でも、ここまですると電源電圧の変動に弱くって、電圧を動かすと
状況により発振停止。
それにスピーカーの品種でも、発振したり止まったり微妙。


音を大きくするにはスピーカーを駆動しているパルスの幅を
大きくしなけりゃということでした。
もちろんR3を変えると周波数も変わります。
そして、トランジスタのベース・エミッタ間電圧と電流増幅率変動の
影響をもろに受けます。
ヒステリシスがあればいいんでしょうが、シンプルにまとめるのは
むつかしいかな。

昔を思い出して、2石の発振回路でした。


ちなみに百均スピーカーの小の方、こいつはあきません。
効率が悪くって使い物になりません。


※追記

この発振回路(弛張発振回路の一種)、なかなかむつかしいです。
実験した最終回路はこれ
(クリックで拡大↓)

(C)からVRのつなぎを換えました。

使ったトランジスタは2SC1815と2SA1015。 黄金の組み合わせ(笑)
0.9Vあたりから発振しはじめ、1.5V、3V、6Vと電圧を上げても大丈夫。

でもスピーカーを駆動しているNPN側をちょっと大きな2SC2655に換えると
発振条件が変わってしまって、電圧を上げると発振しません。

そう、スピーカーも関係していてマグネチックサウンダでは×。
なかなか奥深い回路です。

※さらに
帰還コンデンサの値でタイミングが決まるんですが、この充放電
方向を考えると「うむむ?」なんです。
ひょっとして、スピーカーのコイルが出すスパイクパルスで
発振が持続しているの?
電源部配線長の抵抗がヒステリシスを生じるような働きをしているの?
負荷を単純な抵抗にするとどうなんだ?
こりゃまた実験かな。


今度は現物ではなく、「LTspice」でシミュレート。
TrのBE間抵抗は省いて。

(クリックで拡大↓)


負荷抵抗R1が8Ωだったら発振。
これを徐々に大きくしていくと、12Ω手前でアウト。

11.5Ωだと、発振開始が遅れて発振のはじめに振動波形が現れます。

(クリックで拡大↓)


負荷抵抗だけでなく石を換えると×だったり、電源電圧を変えると×だったり
ベース抵抗の値でも×になったりと仮想現実でも安定しません。


LTspiceのソース(.ascファイル)を示しておきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Version 4
SHEET 1 1320 680
WIRE -448 -112 -816 -112
WIRE -112 -112 -448 -112
WIRE -112 -48 -112 -112
WIRE -448 -32 -448 -112
WIRE -512 16 -640 16
WIRE -816 80 -816 -112
WIRE -448 96 -448 64
WIRE -320 96 -320 64
WIRE -320 96 -448 96
WIRE -640 144 -640 16
WIRE -576 144 -640 144
WIRE -368 144 -496 144
WIRE -112 144 -112 32
WIRE -112 144 -304 144
WIRE -112 192 -112 144
WIRE -48 192 -48 112
WIRE -48 192 -112 192
WIRE -640 208 -640 144
WIRE -112 224 -112 192
WIRE -448 272 -448 96
WIRE -304 272 -448 272
WIRE -176 272 -224 272
WIRE -816 384 -816 160
WIRE -640 384 -640 288
WIRE -640 384 -816 384
WIRE -112 384 -112 320
WIRE -112 384 -640 384
WIRE -816 432 -816 384
FLAG -816 432 0
FLAG -48 112 Q2_C
FLAG -320 64 Q1_C
SYMBOL pnp -512 64 M180
SYMATTR InstName Q1
SYMATTR Value 2N3906
SYMBOL npn -176 224 R0
SYMATTR InstName Q2
SYMATTR Value 2N3904
SYMBOL res -128 -64 R0
SYMATTR InstName R1
SYMATTR Value 8
SYMBOL res -656 192 R0
SYMATTR InstName R2
SYMATTR Value 100000
SYMBOL cap -304 128 R90
WINDOW 0 0 32 VBottom 2
WINDOW 3 32 32 VTop 2
SYMATTR InstName C1
SYMATTR Value 10000p
SYMBOL voltage -816 64 R0
WINDOW 123 0 0 Left 2
WINDOW 39 24 124 Left 2
SYMATTR SpiceLine Rser=0
SYMATTR InstName V1
SYMATTR Value 3
SYMBOL res -480 128 R90
WINDOW 0 0 56 VBottom 2
WINDOW 3 32 56 VTop 2
SYMATTR InstName R3
SYMATTR Value 100
SYMBOL res -208 256 R90
WINDOW 0 0 56 VBottom 2
WINDOW 3 32 56 VTop 2
SYMATTR InstName R4
SYMATTR Value 100
TEXT -64 472 Left 2 !.tran 0.03



2013年3月8日 15時03分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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