直流定電流流し出し回路が一定にならない#2
直流定電流流し出し回路が一定にならないの続き。
●基本
・流し出しの定電流回路で使うOP-AMP、同相入力電圧が+電源
までokなものが必要。
・正しく定電流制御されているのなら、電源・非反転入力電圧と
電源・ソース電圧(電流検出抵抗両端)の電圧が等しくなって
いる。
・今回の回路は約1mAの定電流。
検出抵抗、あるいは基準電圧値を調整すれば、ジャストに
合わせ込むことも可能。
ところが、LMC6482だと、一定電流が得られません。
負荷によりちょっぴし変動するのです。
手持ちのRail to Rail I/O OP-AMP、他に適当なんが無いのですが、
JRCのNJU7062で試してみると、不可解な現象は出ません。
(NJU7062の同相入力電圧はVccまで行ってない)
さて、尻尾を掴む実験、昨日の回路ちょいと追加して、ダイナミックに
変化が見えるようにしてみました。
まず、主回路。 (クリックで拡大↓)
テストしているOP-AMPとは別にOP-AMPを用意して、発振器からの
三角波で変動する負荷を観察できるようにしました。
このアンプは+/-電源で動かしています。
そして、もうひとつがコレ。
ゲイン10倍の計装アンプで、調べるアンプのオフセット電圧
(非反転入力と反転入力の電圧差)を見ようというものです。
●オシロスコープの接続
ch1 黄 TP3 0〜5V三角波入力
ch2 緑 TP1 FETドレイン出力
ch3 紫 TP5 10倍計装アンプ出力=アンプのオフセット電圧
ch4 赤 FETのゲート電圧 定電流制御されているときは
2.5Vくらいの電圧を保持
ゼロ位置 ch1、2、4が下から1div目が0V。 1V/div
とレンジ ch3はセンターが0V。 1divが5mVになる。
●オシロ波形の見かた(クリックで拡大↓)
これ、正常な場合の波形です。
NJU7062を使って負荷抵抗1kΩ。
TP1とTP4の間に1Vの電圧差が発生しています。
定電流制御ができない区間になると(FETのゲートが
0Vに引っ張られる)、徐々にこの電圧差が小さくなり
ます。
以下、解説メモ抜きでカラー版の波形だけ示します。
●NJU7062 1kΩ負荷 (クリックで拡大↓)
これは正常。
オフセット電圧が1.5mVくらい発生している。
●LMC6482 0Ω (クリックで拡大↓)
負荷によりオフセット電圧の変動が発生。
これが、誤差発生の原因か。
8mVほどなので、検出抵抗1.2kΩで電流値0.006mA。
抵抗可変による変動具合と合っている。
●LMC6482 150Ω (クリックで拡大↓)
直列の抵抗(回路のVR1)を大きくすると変動する領域が
小さくなる。
なんで??
★結論が出ました!! (笑)
単純に発振でした。
お恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ。
別の回路のチェックで、オシロを高分解能モードにして
使っていたので、高周波発振波形が消えてしまっていた
のです。
普通のモードにして見たら一発解決。
お騒がせしました。
●発振止め方法
・FETのソースとアンプの反転入力間に抵抗を挿入:10k
・アンプ出力と反転入力間にコンデンサ:100〜1000PF
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2015年7月3日 10時21分
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それにしても、DC測定でよく僅かな誤差に気付きましたね。私なら、気のせいにしちゃいそうです。
こんな検証をしています。
・2009年02月03日:デジタルオシロが苦手なもの
今回のあれこれは大失態… wwww。
昔ながらのアナログ・ブラウン管オシロなら、こんな
スカタンはなかったわけなんですが・・・