■100V延長コードのコンセントが発熱
     (放っておいたら発火したかも)

2018-04-27

延長コードの発熱など、ちょいと危険な電機製品のトラブルを紹介しています。
    ※ZAQのHP+BLOG廃止で消えていた記事一覧を仮復旧しました。

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2013年02月13日 ターボが効かない!  (ハンダゴテ)
2012年07月23日 携帯電話のヒモが切れた!?
2012年03月10日 断線!
2012年02月06日 シールド網線が劣化
2012年02月03日 被覆破断
2012年01月26日 ベッセル製ワイヤーストリッパ
2011年10月23日 電線を保護しているようなんですが…
2011年10月06日 ワイヤーストリーッパー
2011年09月29日 クリップ断線
2011年05月16日 電気メータ取替完了
2011年05月14日 停電させずに…どうやって
2011年04月05日 コレな〜んだ?
2010年03月31日 喪主が修理  (大型ファンヒーターのスイッチを)
2009年12月30日 蛍光灯の修理
2009年07月29日 断線!
2009年06月06日 イヤホンの残骸
2008年11月18日 ケーブル・ブッシング
2008年03月27日 この白いのは何?
2008年01月16日 簡易型静電気検出器 補足
2008年01月16日 簡易型静電気検出器の解説
2008年01月14日 OPアンプ1石でできる簡易型静電気検出器
2008年01月11日 碍子引き配線
2007年12月02日 ささえてほしい
2007年09月07日 今度は点くやん!
2007年08月09日 これでは点かない! (新聞広告)
2006年12月20日 信じるな!  (ミノムシ・クリップのハンダ付け)
2006年06月26日 延長コード トラブル
2005年10月05日 発火原因に!?  (この記事をブログで報告)


2005-10-07

■ホットプレートを使った後で気が付いた

 先日のこと、掘ってきたイモをホットプレートで焼きながら、ガレージ仲間とワイワイやっておりました。
皆が帰ってから、ホットプレートを片付けるため、プレートに水を入れて加熱。
沸騰したところで汚れを拭き、きれいした直後のことでした。
延長コードに差し込んだプラグを抜こうとして気付きました。
ありゃ、プラグとコンセントが熱くなっています。
やばいくらいの熱さです。
プラグを抜いてから、コンセントの差し込み口を見ると、熱で変形しているではありませんか。

普通の3つ口延長コード。 定格「15A」。
1kWのホットプレートなら、十分のはずです。
これまで異常なく使えていました。
これにつないだのはホットプレートだけでし
たので「タコ足配線」にはなっていません。
ホットプレートのプラグを差し込んでいたところだけ、熱で変形しています。


■原因の推定

 どうやら、プラグがきちんと奥まで差し込まれていなかったようです。
プラグを抜く時に「熱い!」 っと同時に、「ゆがんで差し込まれていたゾ!」
「すぐ抜けた」っと普通とは違う異常を感じたのです。
焼いたイモをアテにビールなど飲みながら、 みなでワイワイしている時、床に延ばしていた
延長コードを踏んづけたとかが原因かと思います。
きちんと差し込んであったのが、抜けかけた状態になったのでしょう。
それで、接触抵抗が増大して発熱。 
熱により、コンセント側の樹脂が変形したようです。

ただ、少し気になったので、コンセント部分をバラして、圧着された電線の状態などを調べてみました。

もう使えませんので、コンセント部分をバラして中身を見てみました。

電線は圧着で接続。
電線が切れかけているとか、特に異常は見られません。
写真右側の白いベース部分、茶色く焦げた後が見られます。

黒い電線のほうが、ひどい状態です。
差し込み口だけにしてみると、変形の様子がよく分かります。
その裏は、こんなに溶けています。


■電気的にどうなのか


 こうなった原因は「プラグの抜けかけ」と思っていますが、
コンセント自体の導通、電気的にどうだったのか調べてみることにしました。

 使った計器は、自作の「定電流源」とデジタルテスター。
低抵抗を計る場合、デジタルテスターの抵抗レンジではうまくはかれません。
テスターリードの抵抗が効いてきます。
そこで「四端子法」による抵抗測定です。
経路に一定電流を流し、測定したい間の電圧降下から抵抗値を計算します。
そのために作ったのが「10mA定電流発生回路」です。

回路などは、「居酒屋ガレージ日記・電子回路工作」
・トランジスタ技術2005年9月号:http://act-ele.c.ooco.jp/blogroot/igarage/article/140.html
で、紹介しています。


アヤシイのは電線の圧着部分です。

熱の影響か、圧着部分でなんとなく銅線が変色しています。
経路に「10mA」流して、圧着部分での電圧降下を測定します。

まず、変形のひどかった黒リードか。

0.21mVですので21mΩだと計算できます。
次が白リード。
0.049mVですので4.9mΩ。

黒リードに比べて抵抗が低く出ています。

なお、この抵抗はほとんどが圧着部分で発生しているのを確認しています。
コンセント金具部分や銅線部分ではほとんど抵抗はありません。
圧着部分をはさんで測定すると、このような値が出てくるのです。
コンセントの金属導体部分の抵抗を計っている様子です。
電線を圧着している箇所を通さずに測定すると、このように低い抵抗値(1.9mΩ)が読み取れます。


◆圧着部分をハンダ付けしてみると


 この接触抵抗が、樹脂が溶けるくらいの発熱に関係しているのかどうか、微妙なところです。
20mΩ=0.02Ω  これに10Aですから電力は「I x I x R」で2Wとなります。
ホットプレートの1kWに比べるとわずかですが、放熱効果が期待できない小さな面積しかない
部品での発熱となると、そこそこ温度が上がります。
定格5Wのセメント抵抗を考えてください。 2Wの電力を消費させると、けっこう発熱するでしょう。

電子回路屋はなぜか「圧着」より「ハンダ付け」のほう好みますよね。
で、圧着部分をハンダ付けして試してみることにしました。

圧着部分にハンダを流します。
その抵抗を測定してみると「1.2mΩ」。

ずいぶん抵抗値が下がりました。

※「ハンダ付けのほうが良い」という結論を導き出してしまいました。
 しかし、導体に電線をちょんと乗せただけのハンダ付けは、不安定で、
 大電流を流すには不向きです。 注意しましょう。
 今回の件、差し込みプラグがゆるんだことによる発熱で圧着が不安定になったのではないかと
 推測しているのですが、それが証明できていません。
 圧着不良が原因で発熱したという可能性も残っているのです。
 ホットプレートのプラグ側に見た目の異常はないので、どうなのかと疑問が残ります。
 大電流を扱う場合、いろいろなことを考えておかないと危険だぞ!という教訓かと思います。